Amazon.co.jp1/350 日本海軍 戦艦 三笠 日本海海戦
カスタマーレビュー

★★★★☆ じっくりと取り組みたいキットです。
 ├2010/4/19
 └参考になった(20中18人)
 └manual_writer

船の模型は数年ぶりで、先日組み立て始めたばかりです。
私にとっては、船体の部品のはめ合わせもよく、モールドも細かく施されていて、良いキットだと思います。
私の腕では完成まで時間がかかりそうですが、じっくりと取り組みたくなる精密感があります。
他の方が問題にされている通風筒の位置や形が実際と異なる点や、繋船桁の部品が付いていない点は残念ではありますが、組み立てキットですから改造を楽しもう、と前向きに考えたいです。

製作には以下の資料が役立つと思います。
・モデルアート No.690 , 2005年10月号
・モデルグラフィックス No.251, 2005年10月号
・船の科学館 資料ガイド6「戦艦 三笠」

この他に、過去にこのキットを組み立てられた方々が注意点や小技をネットで公開してくださっていますので助かります。
ただし、あるサイトではこのキットを元に「最も正確な三笠の模型を作った」と主張しているものの、考証を誤って間違った改造を施していましたので、複数のサイトや資料を照らし合わせた方がいいです。

問題の通風筒の位置や形、煙突のスカートの形については、おおむね当時の状態を再現している大型模型があります。
この模型は昭和36年に横須賀の記念艦三笠に寄贈され、現在も記念館の中に展示されていますので、通風筒や煙突を改造したい方には参考になると思います。

さらに詳しい資料としては、戦闘詳報や戦時日誌などがあります。これらの資料は、アジア歴史資料センター( http://www.jacar.go.jp/ )のwebページで閲覧する事が出来ます。

例えば、アジア歴史資料センターのHPで簡易検索の欄に C05110130500 と入力して検索をかけると、「極秘 明治37.8年海戦史 第6部 艦船艇 巻3」と表示されます。ここで[画像閲覧]をクリックすれば資料の最初のページが表示されます。
この資料では、三笠についての記述は p.59 以降です。黄海海戦時の通風筒の図は p.78 から p.82 辺りです。日本海海戦時の場合は p.117 から p.120 辺りにあります。
(なお、画像の表示形式には DjVu と JPEG の二通りがあります。DjVu 形式で表示させるには別途プラグインをインストールする必要があります)。

その他、私が調べた限りでは日本海海戦時(戦闘直前)の三笠の外観は以下のような状態だったようです。

・艦首の旗竿や前後の上甲板の手すりは取り外すか倒していた。
・艦首アンカーのダビットを倒していた。
・艦橋の手すりや司令塔の周囲、前マストの一部をマントレットや釣り床で覆っていた。
・前マストから艦首旗竿近くに張っていたステイ(索)二本を艦首から取り外して前艦橋の根元あたりに移動させていたらしい。
・艦載艇のうち、水雷艇・汽艇は積んでいなかった。
・主砲の砲身に帆布でできた筒をかぶせてホースをつなぎ、海水を流して砲身を冷却していた。
・艦の中央部の露天部分を魚雷防禦網で覆っていた。
・四条線と呼ばれる無線用空中線が2本(前後のマストの間、および後のマストと艦尾の間)、張られていた。

史実に忠実に作ろうとすると、手すりや張り線の一部、艦載艇、ダビット等が存在しないか目立たなくなります。
加えて艦の中央部に網をかぶせてしまうので、通風筒の下半分や煙突のスカートを含めて、ほとんどの構造物が見えなくなります。
これでは艦の偉容とか美しさの点で残念ですので、個人的には艤装の機能や美しさが映える状態に仕上げたいと思います。

2010/5/16追記
・後部煙突は前部煙突より少しだけ高かったようです(1/350スケールなら1.2ミリくらい)。
・キットの水中魚雷発射管の孔は真横を向いていますが、実艦では艦首のものは少し斜め前方を向き、艦尾のものは斜め後方を向いていました。ピンバイスで孔を少し斜めにするとそれらしく見えます。

2010/6/20追記
このキットについてネット上で検索すると、メーカーのハセガワや三笠関係の展示を行っている施設やサイトに対する悪口がいくつか見受けられます。知人の話では、ある人物が自分の組み立てた三笠の模型をこれらの施設に売り込みに行って断られた事を逆恨みして悪口を書いているらしい、とのことです。また北陸の某模型販売業者が歴史資料を集めたサイトに対して三笠の情報を要求し、断られたために脅迫まがいのメールを送ったり関係先に嫌がらせの電話をかけるという物騒な事件も起きているようです。
このような状態なので、キットの誤りの客観的な指摘は別として、メーカーや三笠関係の施設・サイトに対する悪口の記事や書き込みはまともに受け取らない方がいいでしょう。

2010/7/21 追記
◎中缶室前部通風筒は屈曲せずにほぼ真っ直ぐ上に伸びていた可能性があります。
「極秘 明治37.8年海戦史 」に収録されている日本海海戦時の三笠の被害図では、中缶室前部通風筒は途中で折れ曲がって前方にせり出すように描かれています。
しかし、日本海海戦の前後に撮影された三笠の写真を見ると、四角い通風筒の幹が(ボートデッキの高さあたりから)真上に伸びながら角を斜めにそぎ落とすようにして円筒に変化しています。屈曲しているようには見えません。
また、設計時の三笠の図面から考えると、中缶室前部通風筒がほぼ真上に伸びるのであれば、実艦の写真と一致します。通風筒が前方にせり出すと、実艦の写真とはかなり異なってしまいます。
私は問題の通風筒全体を写した写真を持っていませんので、被害図が間違っているかどうかは判断できません(写真に写っていないボートデッキより下で折れ曲がっていたのかも知れません)が、通風筒を改造される場合は当時の写真とよく比較した方がいいです。

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