彼は日本と中国とを渡り歩いた霊獣である。古く日本開闢より2000年前ほどから日本に住んでいたが、ある時中国に渡り、黄帝を助け国を造らせた。その時の姿は、八翼の龍であり、或いは龍翼馬身であったとも言われている。名前もまた、乗黄、飛黄、古黄、翠黄などと様々である。一日に万里を走り、背に乗せる者は2000年もの長生きをした。
さて、この騰黄であるが、日本国が出来てからは、日本に舞い戻り、天皇家を守護するようになった。その姿は、細身で尾が身長の2倍もあり、背には二本の角、肩からは火焔を燃やした狐である。肩の火焔は翼、飛翔力の証であり、そしてその背の角と共に、昔龍であった証でもあろう。
今でも騰黄は、天皇家を守護している。その姿は、紫宸殿にある。
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