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尖閣衝突 東南ア、毅然対応期待 南シナ海で対峙 強い関心

産経新聞 9月23日(木)7時56分配信

尖閣衝突 東南ア、毅然対応期待 南シナ海で対峙 強い関心
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尖閣諸島からインドネシアの地図(写真:産経新聞)
 【シンガポール=宮野弘之】日本の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を発端に日中関係が緊迫していることについて、東南アジア各国では、今回の出来事は、南シナ海でも権益拡大をはかる中国の「野心」の表れとみて、日本政府の対応を、強い関心をもって見守っている。とくに、スプラトリー(中国名・南沙)諸島などの領有をめぐり、長年、中国と対峙(たいじ)しているだけに、話し合い解決を基本としつつ、日本に対しては「冷静かつ確固たる姿勢」を求めている。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は南シナ海で、しばしば中国と衝突してきた。1988年にはスプラトリー諸島のジョンソン環礁で中国、ベトナム両国海軍が衝突し、ベトナム軍艦艇が沈没、水兵70人以上が死亡した。99年には2度にわたってフィリピン軍艦艇と中国漁船が衝突し、漁船が沈没した。最近でも今年3月にはやはり領有権を争うパラセル(中国名・西沙)諸島で、ベトナム漁船が中国艦艇に拿捕(だほ)された。

 6月にはインドネシアのナトゥナ諸島沖で、インドネシア海軍が拿捕した中国漁船を、武装した中国艦艇に奪還される事件が起きるなど、もはや南シナ海は全体が中国の勢力圏だ。

 中国漁船衝突事件はこうした中で起きただけに、事件の背景に中国の「領土的野心の拡大」をみる専門家は多い。フィリピン・デラサール大学国際学部のレナート・C・デ・カストロ教授は、「中国がこの地域で急速に勢力を増して、影響力を及ぼすことに自信をもっているというサインだ」と分析。さらに「中国は地域で一番の勢力である中国に挑戦するのは不可能だと、日本に印象づけるつもりだ」と言明する。

 シンガポール経営大学のブリジット・ウエルシュ准教授も「領土をめぐる衝突は、中国の地域的野心の増大とともに激しくなっている」と指摘する。

 ASEAN各国は、中国がすでに経済的にも軍事的にも大きな力をもつことから、領有権をめぐる問題は個別交渉を避け、ASEAN一体で中国に相対する姿勢だ。先のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に続き、24日にニューヨークで行われるオバマ米大統領とASEAN首脳との会談でも、南シナ海をめぐる問題を取り上げる方針で、日本に対しても協調を求めるものとみられる。

 ただ、「今回の事件で中国がさらに挑発的行動へと向かうかもしれない」(ウエルシュ氏)との懸念もある。インドネシアのナタレガワ外相も22日のブルームバーグのインタビューで「日中が問題を友好的に解決することを期待する。今回の事態でわれわれの地域の混乱や不安定化はみたくない」と語り、日中の対立が長引くことで、南シナ海での問題に影響が及ぶことに警戒感をにじませた。

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最終更新:9月23日(木)7時56分

産経新聞

 

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