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【安藤慶太が斬る】極まる「チャイナハラスメント」と亡国政治のお寒い事情  (5/6ページ)

2010.10.3 12:24
このニュースのトピックス菅首相

  

起訴便宜主義は何でもアリか

 検察官には起訴便宜主義が認められている。訴追するかどうかの判断は検察官に幅広い裁量が与えられていて、さまざまな事情を考慮して判断がなされていい、というものである。微罪である、十分な社会的制裁を受けている、あるいは被疑者は十二分に反省し、再犯の恐れもない…さまざまな事情を考慮して処罰価値がないから起訴はしないという判断はあるだろう。

 だが犯罪を許すことと見逃すことは違うはずである。今回のような犯罪事実を認めてすらいない被疑者を日中関係を理由に釈放するのは犯罪を容認、助長する行為に等しい。私にはどうしても妥当だとは思えないのである。

 「日中関係を考慮して…」などと、検察が処分保留に持ち出した理由も不可解である。検察が外交判断して、これが国家の威信を傷つけ、中国の要求はエスカレートするという外交失態を招いた意味でも責任は重大だし、なぜ日中関係なら犯罪が許されるのかという点も素朴に分からない。批判を浴びて当然である。

 こうした判断が検察だけでできたとは考えにくい。

ただ、官邸からの政治的介入があったにせよ、官邸の意向を検察が忖度(そんたく)したにせよ、あるいは検察が中国の恫喝(どうかつ)、顔色をうかがって独自に判断したにせよ、これは政府の判断なのであり、国家の意思決定としてお粗末だということは変わらない。「戦後最大の外交的な敗北劇」を「適切な判断」などと今も了としている政府の姿勢がいかに愚かしいか。これだから中国にいいようにやられてしまうし、いずれまたやられるのである。領土的野心に燃える中国にとって民主党政権のこうしたお粗末は千載一遇の好機だろうと考える。

  

鳩山首相の無責任発言

 政治家の発言のなかで目立ってひどかったのは鳩山由紀夫前首相だった。「私だったら事件直後に、この問題をどうすべきか中国の温家宝首相と腹を割って話し合えた」。鳩山氏は9月25日、視察先の京都市内で記者団にこう語り政府の対応を批判したというのだが、鳩山氏でも多分、駄目だったんじゃないか、と多くの国民が冷笑していることを前首相はもっとわきまえてほしい。

 鳩山氏は在任中、温家宝首相との間にホットラインが存在することを明らかにしたそうだが、ホットラインがあることと、首脳同士が腹を割って話し合えることとは全く別の話である。鳩山氏の場合、普天間問題などがそうだったように、在任中「国民の思いに真摯(しんし)に耳を傾ける」といいながら、実際にはあらゆる人のいいなりで結局は事柄をこじらせるだけだったように思える。「腹を割って話し合えた」と言ってもそう思っているのは実は鳩山氏のみかもしれないのである。

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