MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

ニュース:政治 政局政策地方行政選挙写真RSS feed

  • メール
  • メッセ
  • 印刷

【安藤慶太が斬る】極まる「チャイナハラスメント」と亡国政治のお寒い事情  (3/6ページ)

2010.10.3 12:24
このニュースのトピックス菅首相

  

軍事力は巨悪なのか

 海自には法令上、「海上警備行動」という武器使用が法的に認められているではないか、という人もいるかもしれない。が、それは本来、海上保安庁が有する「警察権」を自衛隊にも付与するというだけの話で、軍事行動の容認ではない。防衛大臣の命令なしにはできず、平成11年の「能登半島沖不審船事件」などで発動されたに過ぎない。

 発令には多くの制約、壁があり、機動性に欠けているのは否めない。いちいち、市ケ谷にお伺いをたて、市ケ谷は永田町にお伺いをたてる。そして政治的波及や中国の顔色を計算してから判断するのだから、とてもスピードも遅く、政治的圧力にも歪められやすい。現場に臨んだところで警告射撃ひとつをとっても多くの困難が伴い、政治的決断が下ったときには五星紅旗がすでに上陸、制圧してしまっているかもしれない。

 航空自衛隊には領空侵犯に対する措置が任務として位置づけられてはいる。ただ、自衛隊法でそれは「正当防衛、緊急避難の場合」に限定されている。正当防衛、緊急避難に限るという発想は、警察の発想である。国内法を戦場に適用する発想といってもよい。戦場では敵を全力で完全にたたきつぶして同胞の安全を守ることが求められる。欠陥がある不完全な規定である。

 しかし、海にはそれすらないのだ。領海法や「領海侵犯措置規則」に基づき、直ちに現場に駆けつけ、拿捕(だほ)する。一体、何のために自衛隊があるのか、と考えれば当然の話だ。

 政治家が「武力行使」という言葉を口にする場合、逃げ腰、及び腰で語られるのが常だ。言い訳や釈明の文脈で軍事は扱われる。忌み遠ざけられ、手足さえ縛れば事足れりのわが国では、有事法制、核武装という言葉を口にしただけでメディアは大騒ぎし、時に政治家や自衛官の首が飛ぶ。いかに防衛予算を確保し、いかに自衛官に屈強な猛者をそろえても、いざというとき国をいかに守るかをめぐる足かせが多すぎて、戦う布陣の足を引っ張っているのである。

  

転がる「チャイナハラスメント」

 「チャイナ・ハラスメント」という言葉があるそうだ。中国当局による日本企業への嫌がらせを指す言葉らしいが、理不尽な要求を恫喝(どうかつ)まがいに繰り返し突きつけてくる中国外交そのものを形容するにふさわしい言葉である。

 「チャイナ・ハラスメント」は単に経済活動や外交問題という次元の話にとどまらない。中国におもねった動きは教科書問題にも見られる。児童生徒が勉強する地図帳を開けば、中国と台湾の国境が引かれていない場合がある。これも「二つの中国」を認めない、日本はそういう中国の立場を「尊重する」という共同宣言を盾に取る中国におもねった判断がもたらした例だ。これなど典型的な「チャイナ・ハラスメント」だろう。

PR

PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKSankeiBizSANKEI EXPRESS
Copyright 2010 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。