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【安藤慶太が斬る】極まる「チャイナハラスメント」と亡国政治のお寒い事情  (2/6ページ)

2010.10.3 12:24
このニュースのトピックス菅首相

 わが国の主権を侵害しながらも、身柄拘束に持ち出されたロジックは、海保の船に体当たりした、公務員の仕事を妨害したというものだった。では公務を妨害しなかったら身柄拘束はなかったのだろうか。いざ、本格的な主権侵害行為があった場合、公務執行妨害という法律で立ち向かえるはずがない。そう考えると、竹やりで戦争に挑むようなとてもいびつな光景が思い浮かぶ。暗澹(あんたん)たる思いがするのだ。

 もっといえば、今回、海上自衛隊の出番は最初から最後までなかった。それを多くの人が当たり前に受け止め、何も考えずに済ませている。これも本来、とても不思議な光景だといわざるをえない。

  

「安心して漁ができない」という抗議について

 漁船相手に海自が出るまでもないという人がいるかもしれない。しかし、仮に漁船に銃器が積んであればどうか。武装して尖閣に上陸したらどうだったか。

 自衛隊がどういう動きをしていたのか、何ができたのか、問題はなかったのか、といった検証の枠から自衛隊はすっぽり外されており、今も外れたままである。

 公務執行妨害での釈放劇はそうした異常の積み重ねの延長で起きたのである。検察が釈放した途端、「検察が日中関係などの政治的判断をするのはけしからん」とか「国家として大丈夫なのか」といった声が一斉に起こった。しかし、それまでにも異常は見逃され続け、今も見逃されている。

 「安心して漁ができないではないか」という抗議もあった。安心して暮らせないのだから、それはそれで問題があると私も思う。ただ、本質論を回避したままで「政府!漁ができるように何とかしろよ」だけでは愚かしいことこの上ない話だ。

 それに沖縄の場合、在日米軍普天間基地の辺野古への移設に一貫して反対してきた。安心して漁ができるように政府は何とかしてほしい、でも在日米軍は県外でなければ絶対駄目よ、では筋が通らない。

  

動けぬ自衛隊

 例えば、この手の領海侵犯があった場合、海自が訓練名目で海上に護衛艦を出すということはあり得る。だが、武器使用となると極めて怪しい。領域警備という任務を位置づける法律がないからである。要は海に出てもそれまで。武器使用はできないのである。

 領域警備は、警察行動の一環なのである。あくまで、警察活動で、国防のための防衛行動ではない。防衛行動として出動の対象となるには「外部からの武力攻撃、またはそのおそれ」が必要であり、かつ「防衛出動を命ずる以外に手段がないと認められる場合」でなければならない。つまり、警察行動を行う海上保安庁の対応能力を超えていると政治が判断しなければ、警察行動として領域警備を行う他はないのである。

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