lumi

死を善悪で捉えるべきではない

Sun, August 22, 2010 10:48:47 テーマ:ブログ
西洋医学や現代社会が陥りがちな先入観に「人の死はいけない(=悪)」というものがある。確かに戦争で罪なき人々が死んだ時代を経験した人々は、そういう価値観を持たなければ正気で暮らしていけなかっただろう。しかし、現代日本はマスコミが騒ぎ立てる他殺よりもはるかに自殺が多い時代。そういう善悪一辺倒な死に対する価値観は社会を決して良くする方向へは進ませない。

人は予期せず死ぬこともある、死ぬことによって得られる利益もある、死が次の生を生み出す、ときには死が必要なことがある。死が悪だと決めつけている人々には死にまつわるこういう事実は見えてこない。我々が今生きているのは数多くの死に基づく。死が悪ならば、そこから生まれた我々の生も悪である。

結局のところ、すべては両価的なのだ。生にだって良い面、悪い面、そのどちらでもない面があり、死にだって良い面、悪い面、そのどちらでもない面がある。そのバランスの中で我々は生きているし、死んでもいる。

西洋医学は資源を限りなく消費する。人を死から生と引っ張り込もうとするが、それは限りある地球の資源を浪費し、最終的には多くの人を死に至らしめる一因となるかもしれない。西洋医学によって人は長生きできるようになったが、生きるということは苦しむということを内包する。楽しみが苦しみより大きければその人は幸せかもしないが、当然ながら苦しみが多い人もいる。西洋医学は果たして人そして人類を幸せにしたと言えるのか。

生と死とそのバランス。我々はそのことをもっと意識しなければならない。命を大切にするということは生と死と両方を大切にするということである。生を大切にするばかりが命を大切にすることではない。

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