週刊・上杉隆
【第13回】 2008年1月17日
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上杉隆 [ジャーナリスト]

ねじれ異常国会閉会で思う、
福田長期政権の予感

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 今週(1月15日)、第165回国会が閉会した。

 振り返れば、なんと、まぁ、騒々しい臨時国会であったことだろうか。福田首相自身も、一昨日(火曜日)の記者会見で、その異常性について言及している。冒頭から、騒動続きの国会であったことは確かだ。

 昨年9月12日、取材を通じてある程度の予測はついていたものの、安倍前首相のあの突然の辞任には、筆者も驚きを禁じえなかった。『官邸崩壊』は免れないとは思っていたもの、新テロ特措法の成立を宣言した所信表明演説の直後の辞任など、いったい誰が想像できただろうか。

 すでに、遠い過去の話のようになっているが、じつは、あの前首相の「辞任劇」は、今回の臨時国会の中で起きた出来事だ。忘れそうになるのは、それほど、この国会がその後もドタバタ続きだったからであろう。

 臨時国会の終了によって、福田政権はとりあえず一つ目の関門を抜けたようだ。今後の政局を分析する上でも、この「未常識の世界」(中川秀直元幹事長)は重要だ。最初にこの越年国会を軽く振り返ってみる。

新テロ特措法のための国会

 辞任直後の自民党総裁選では、本命の麻生太郎候補が、「麻生クーデター」によって消えた。実際は、8派閥の談合による福田支持が麻生支持を上回っただけなのだが、陳腐な「陰謀論」が政治闘争に花を添えた。

 福田政権の誕生は、自民党の延命措置であったが、いざ国会が再会すると、やはり7月の参院選敗北の後遺症が大きく響く。

 参議院で野党が過半数を占めるという「ねじれ現象」によって、審議は事実上ストップした。福田政権は、11月までの法案通過がゼロという異常事態を余儀なくされる。

 その状況を打破するため、「福田=小沢」による党首会談が開かれた。しかし、唐突な「大連立」構想が持ち上がったため、与野党の関係はかえって膠着化した。会談自体が否定されたうえに、小沢代表の辞任表明などの「茶番」もあり、「大連立」構想が陽の目をみることはなかった。

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上杉隆 [ジャーナリスト]

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。


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