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【グラニュース】


逆転V弾 小川ヒーローだ

2010年10月3日 紙面から

 首位の名古屋グランパスは仙台に逆転勝ち、勝ち点を54に伸ばした。後半にPKで追いつき、同43分に小川が頭で合わせて決勝点を奪った。2位の鹿島は清水と引き分け、グランパスとの勝ち点差は9に開いた。前節3位のG大阪は山形に逆転負けし、新潟を破ったC大阪が3位に浮上した。

◆名古屋2−1仙台

 小川は今季初めて浴びる、割れんばかりの歓声と、チームメートからの手荒い祝福という歓喜に気持ちよく身を委ねた。昨年11月28日の山形戦以来の今季初ゴールは、同点の均衡を突き破る貴重な勝ち越し点となった。

 後半43分、FWに入ったDF闘莉王の右クロスに頭から飛び込んだ。「あとは決めるだけという最高のボールだった」。その闘莉王に感謝するより先に、サポーター席へと走った。少しでも時間を稼ごうという冷静な気持ちも働いていた。

 後半31分、MFマギヌンに代わって投入された。「あの時点で、みんな引き分けでいいなんて思っていなかった。点を取ろう」。強い気持ちで試合に入った。前節の清水戦でも、FW玉田からの好パスというチャンスはあったが、決められなかった。この日は、確実にチャンスをモノにした。

 ヒーローインタビューを受ける小川の頭をストイコビッチ監督がはたいた。「きょうのヒーローは紛れもなく小川だ」と手放しで称賛した。小川は、「その言葉を次につなげたい。いろんな人たちが待っていてくれたと解釈したい」と喜んだ。

 W杯による中断後、先発を外れることが多くなってからチームが勝ち星を重ねるようになった。複雑な思いもあった。それでも、「自分の調子が悪くてもチームは優勝争いをしている。そういう意味で自分はついている」とプラスに考えた。途中でも先発でも、自分が与えられた状況で、優勝という目標のために何ができるのかを追求した。

 5試合連続途中出場だが、コンディションが良くなり、思うようなプレーができている感触があった。「点が欲しいときに取れた。チームに貢献できたかな」。しかし迷惑をかけた分はまだ取り返せていない。「あと9試合でもう少し取り返したい」。初優勝へ向かって前進を続けるグランパスに、乗り遅れかけていた小川が、きっかけをつかんだ。 (伊東朋子)

 

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