【米ワシントン30日=与那嶺路代本紙特派員】米海兵隊は30日までに2011会計年度の航空機配備計画を公表した。普天間飛行場移設計画の遅れや頓挫を想定し、普天間の新たな建設事業を盛り込んだ。米軍が名護市辺野古移設の実現に懐疑的な見方を示すのは初めて。12年10月から普天間に配備される次期主力輸送機MV22オスプレイの部隊名も明記した。
頓挫の可能性に触れたのは、沖縄の強い反対を踏まえたものとみられる。ただ新たな建設や改修工事は基地の固定化につながり、負担軽減と逆行するとしてさらなる反発は免れない。
配備計画は駐機場の路肩や滑走路オーバーランなどの建設予定を提示。ただし書きで「これらは代替施設が予期せず遅延したり頓挫したりする場合に必要になる」と移設が白紙になる可能性に触れ、継続使用への対応の必要性を説いた。さらに「最終的に閉鎖され代替施設に移るまで、100%運用可能であることが求められる」とし、代替施設完成まで、現状を維持する考えを示した。仲井真弘多知事は代替施設の完成に関係なく閉鎖状態にするよう訴えているが、海兵隊がこれに異を唱えたことになる。
普天間に配備されるオスプレイ部隊は第561と第562中隊。09年の配備計画で、12年10月から普天間へのオスプレイ配備が明記された。CH46Eヘリから順次切り替える。普天間所属KC130輸送機の岩国基地移転は「日米合意の完了を前提とする」としている。
(琉球新報)
2010年10月2日