【興隆アジア】官民でモンゴル石炭確保 輸送インフラ整備を提案へ (2/2ページ)

2010.10.2 05:00

モンゴルの石炭露天掘り現場(ブルームバーグ)

モンゴルの石炭露天掘り現場(ブルームバーグ)【拡大】

 タバントルゴイ炭鉱は、モンゴル南東部に位置し、埋蔵量は60億トン強と世界最大級。このうち、約3分の1が製鉄原料向けの良質な原料炭として世界の関心を集めている。

 ◆伊藤忠など連合

 国際入札には、米石炭最大手のピーボディー・エナジー、インド財閥のジンダルグループなどが名乗りを挙げるとみられる。日本側は伊藤忠商事をはじめ、三菱商事、丸紅、双日の4社連合と政府が一体で権益取得を目指す。

 日本勢では、ロシア側を通過する輸送ルートのインフラ整備案とは別に、三井物産が、中国の神華集団(北京)と組んで中国からの輸送で権益取得を目指しており、政府はいずれのプロジェクトもモンゴルから日本への資源調達に寄与するとみている。

 一方、炭鉱開発では今月21、22日に来日する予定のロシアのエネルギー省幹部に対し、日本側が東シベリアのエリガ炭鉱への参画を目指し、輸送インフラや積出港整備を提案する準備も進めている。ただ、メドベージェフ大統領が北方領土訪問を表明した問題で、日露関係が微妙な時期だけに同幹部との会談の行方は流動的だ。(上原すみ子)

注目サイト