2010.10.2 05:00
モンゴルの石炭露天掘り現場(ブルームバーグ)【拡大】
世界最大級の埋蔵量を持つモンゴルのタバントルゴイ炭鉱の権益取得に向けて、政府が、2日に来日するモンゴルのバトボルド首相に対し、官民連携による現地での石炭輸送インフラ整備計画を提案することが1日、分かった。菅直人首相とバトボルド首相との会談後、伊藤忠商事の岡藤正広社長、三菱商事の小林健社長ら大手商社のトップと国際協力銀行(JBIC)などの首脳が同席してオールジャパン連合によるインフラ整備への取り組みを説明。これをてこに、年内にも実施される同炭鉱の国際入札を優位に進めたい考えだ。
◆価格高止まり
原料炭は、新興国の需要拡大で価格が高止まりし、争奪戦になっており、政府は石炭も資源外交や自主開発に向け官民一体の取り組みが必要と判断した。
タバントルゴイ炭鉱から日本への石炭輸入には、ロシア側を通過する輸送ルートで、既存の輸送網に加えて、300キロメートルの新規輸送網と積み出しの港湾設備などが必要になる。日本側はこの輸送インフラ整備を提案。総額約30億ドル(約2640億円)が見込まれる計画を、JBICの融資や貿易保険などの政策ツールを総動員して支援する。政府支援の金額は明らかにしてないが、投資額の大半を支援する見通し。菅首相は9月24日午前(日本時間25日未明)にもニューヨーク市内でバトボルド首相と会談し、レアメタル(希少金属)や石炭などの資源開発で協力することなどで一致しており、インフラ支援をアピールし、資源開発全体の協力関係につなげる。