須藤豊氏、池内淳子さんしのぶ「勘定払いの名人だった」

　女優の池内淳子さん（本名・中沢純子＝なかざわ・すみこ）が９月２６日午後４時２１分、肺腺がんのため亡くなった。７６歳だった。１９６０、７０年代には出演するテレビドラマが軒並み高視聴率をマークし、“２０％女優”の異名を取るなど活躍。晩年は舞台を中心に活動していたが、０７年４月には間質性肺炎・胸水貯留のために倒れ、治療中に肺腺がんが見つかった。関係者によれば、抗がん剤治療で腫瘍（しゅよう）は消えたが、今年３月に再発した。葬儀は家族のみで済ませ、誕生日にあたる１１月４日にお別れの会を開く。

　巨人の現役選手時代から池内さんと親交があった野球評論家の須藤豊さん（７３）は「私が大洋（現横浜）の監督時代、私を追いかけたドキュメンタリー番組でナレーションまでしていただいた。本当に残念」と、故人をしのんだ。

　巨人時代、王、国松彰、伊藤芳明といった仲間で「寿会」という会を作り、家族ぐるみの付き合いをしていた。そこに、知人の紹介で池内さんも加わったという。「食事をしたり、女房たちは芝居に招待されたり、仲良くさせていただいた」と須藤さん。特に印象に残っているのが「勘定払いの名人だった」ということだ。

　「食事の後、いつのまにか、我々が知らないうちに池内さんが支払いを済ませているんですよ。『いつもごちそうになってばかりじゃいけない。今日こそはこっちが勘定を持とう』と王が勇んでレジに行くんだけれど、『もう終わっています』ってね。気配り、目配りができた人だったですね。飲み会に来るときも、すっぴんで髪もそのままで…。本当に飾らない気さくな女優さんでした」と振り返った。