石井ふく子さん悲痛…半世紀のつきあい池内淳子さん最期をみとる

　女優の池内淳子さんの急死に芸能界から追悼のコメントが相次いだ。ＴＢＳ系ドラマ「女と味噌汁」などにレギュラー出演しており、約５０年の付き合いがある同番組プロデューサーで演出家の石井ふく子さん（８４）は大ショック。容体急変の連絡を受けて、最期をみとることはできたが、「あまりにも早過ぎます。『もういいかげんにしなさいよ』って言いたいくらい腹が立つ思いです」と悼んだ。またドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の共演者はこの日、訃報（ふほう）を聞き、絶句したという。

　喪失感を隠せなかった。石井さんはこの日、「人間て呆気（あっけ）ないなあ…また日本のすてきな女優さんが一人いなくなってしまいました」とコメント。半世紀にわたってコンビを組んだ大女優の死に大きなショックをうかがわせた。

　池内さんは芸者・てまり役を演じた１９６４年スタートのＴＢＳ日曜劇場「女と味噌汁」シリーズで人気に。８０年まで同番組を手がけた石井さんとは、公私にわたって親しい関係だった。

　石井さんは池内さんが所属していた映画会社「新東宝」の先輩でもあり、「『日曜劇場』での最多出演女優は池内さんです。プライベートでも大事な方でした。何かに染まるようで決して染まらない、まるで『白い花』のような方」と振り返った。

　唯一の救いは最期をみとれたこと。石井さんによると、１週間前に入院中の池内さんから「話があるから、あさって来てね」との連絡を受けた。９月２４日に見舞ったところ、痛み止め薬で寝ていたが、呼び掛けには、うなずいていたという。他界した２６日に容体急変の連絡が入り、病院へ駆けつけたが、「大きい声で呼び掛けましたが、応えてくれず、結局これがお別れになってしまいました」という。

　同局系「渡る世間は鬼ばかり」にも、岡倉大吉（宇津井健）が思いを寄せる小宮怜子役で出演。関係者によると、“渡鬼ファミリー”はこの日、訃報を聞き絶句。コメントもできず、石井さんが代表で悼む形となった。午後から神奈川・緑山スタジオで行われた収録は気丈にこなしたという。１１月４日に行われるお別れの会には出席する予定。