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大阪特捜解体も!前部長逮捕はトカゲのしっぽ切り?

前大阪地検特捜部長らの再聴取を受け、地検前に集まった報道陣ら
前大阪地検特捜部長らの再聴取を受け、地検前に集まった報道陣ら
Photo By 共同

 大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件で最高検は1日、証拠隠滅容疑で逮捕した主任検事前田恒彦容疑者(43)のデータ書き換えが故意だったと認識しながら隠ぺいしたとして、犯人隠避の疑いで前特捜部長大坪弘道容疑者(57)=現京都地検次席検事=と、前副部長佐賀元明容疑者(49)=現神戸地検特別刑事部長=を逮捕した。識者からは「特捜部の存続を含めて検証すべき」との声が上がった。

 将来を有望視された現役幹部2人の逮捕は、検察史上始まって以来の危機。特捜部の解体論も浮上し、上層部の大量処分を含めた組織の在り方そのものの見直しを迫られるのは間違いない。

 ジャーナリストの江川紹子氏は「第三者委員会をつくり、なぜこんな問題が起きたかについて特捜部の存続を含めて検証すべき」とし、東京地検元特捜部長の宗像紀夫・中央大法科大学院教授は「検察は組織を挙げて、特捜事件の捜査の在り方や組織の見直しのほか、このような事件が発生する土壌について分析が必要」と指摘。東京地検元公安部長の若狭勝弁護士も「特捜部は残した方がいいが、大阪を残すのは難しい」と話した。

 一方、検察関係者からは「(無罪となった)村木厚子さん事件の二の舞いになりかねない」などと疑問視する声も出た。東日本の検察幹部は2人の上司の刑事責任については「この短期間で最高検が“法と証拠”に基づき、十分吟味したとは思えない」と指摘。「この事件は証拠が乏しく、言った言わないの水掛け論になりやすい。最高検が世間の目を気にして事件の構図を描き、周囲の証言を固め、供述を得ようとしたり、押し付けたりすれば、それこそ第2の村木さん事件になる恐れもある」と懸念を示した。

 今回の逮捕は、厳しい姿勢を示して信頼を取り戻したい最高検の執念がにじむ一方、最上層部への飛び火までは避けたい「組織防衛」の思いも垣間見え、性急な“幕引きシナリオ”は危うさもはらんでいる。東京地検特捜部OBは「もし、大坪前部長が改ざんを知っていたのなら、大阪高検など上層部に伝わっていてもおかしくない。世間は2人の逮捕も、検察組織を守るためのトカゲのしっぽ切りとしか見ないだろう」と言い切った。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年10月02日 ]

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