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米政府:40年代に生体実験 受刑者らに性病感染

 【ワシントン草野和彦】米政府の公衆衛生局が1940年代に中米グアテマラで、受刑者などを対象に意図的に性病に感染させ、抗生物質ペニシリンの効用を確かめる生体実験をしていたことが分かった。米政府は極めて非人道的な行為として、オバマ大統領が1日、グアテマラのコロン大統領に電話で「深い遺憾の意」を伝えると共に、感染者への謝罪を表明した。

 実験は46~48年、受刑者や精神障害の患者など男女約700人を対象に行われた。米メディアによると、性病の菌を注射したり、男性の対象者は、性病を持つ売春婦との性交渉を通じて感染させた。感染したことや実験の意図は伏せられた。

 実験は未公表だったが、米ウェルズリー大のスーザン・リバビー教授が最近、ピッツバーグ大の公文書館で実験の記録を発見し、論文などで発表した。論文によると、計画はグアテマラ政府に知らされていたという。

 クリントン国務長官とセベリウス厚生長官は1日、生体実験に「憤慨している」との共同声明を出し、米政府として調査を始めることを明らかにした。

 米国では32~72年にかけ、アラバマ州の貧困層の黒人性病患者約400人が、政府の生体実験の対象として未治療のまま放置されていた問題があり、クリントン大統領(当時)が97年に謝罪した。

毎日新聞 2010年10月2日 11時06分(最終更新 10月2日 12時54分)

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