更新年月日・2010年9月30日
かながわ青少年育成指針は、青少年の育成と自立への支援を、県民全体の理解と協力と責任の下で進めていくための共通の道しるべとして、また、総合的な青少年施策の一層の推進を目的としています。
県では、最近の青少年を取り巻く社会環境の変化などを踏まえ、より良い青少年施策を推進するため、この指針の見直しを進めています。
このたび「改定素案」をまとめました。年代に関わらず、多くの県民の皆さまの幅広いご意見を募集します。
<青少年の皆さんへ>
大人だけでなく、青少年の皆さんからの率直なご意見をお待ちしています。 より良い施策について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
例えば、皆さんを取り巻く社会やしくみづくりについて、次のような課題が考えられます。
○ 青少年の社会参加・社会参画の機会が少ないこと
○ インターネットによる事件の被害が多いこと
○ ひきこもりの若者が増加していること
未来を担う青少年が、たくましく生きる力と豊かな人間性を身に付けて成長することは、全ての県民の願いです。そのためには、私たち県民全体が力を合わせ、青少年の成長と自立を支えるにふさわしい社会を作ることが何より大切です。
そこで、青少年の育成と自立への支援を、県民全体の理解と協力と責任の下で進めていくための共通の道しるべとして、また、総合的な青少年施策の一層の推進を目的として、平成17年3月に「かながわ青少年育成指針」を策定しました。
指針を策定して5年が経過し、情報化の急激な進展に伴う事件の多発、ひきこもり等自立に困難を抱える若者の増加・長期化など、青少年を取り巻く社会環境は大きく変化しました。こうした時代の変化に対応する県民の新たな道しるべとするため、また、青少年施策のより一層の推進を図るため、今回、指針を改定します。
@ 多様な機関の連携による総合的相談・支援体制の整備
青少年や家族からの様々な相談にきめ細かく対応するため、教育や医療、福祉等の専門機関や民間団
体の連携を促進し、相談・支援体制を整備します。
A ひきこもり等困難を抱える青少年の支援
社会とのつながりを回復し、自立に向けて動き始めることができるよう、関係機関やNPOなどと連携し、ひ
きこもり等の若者や家族への支援を充実させます。
B 急激に進展する情報化社会への対応
首都圏の自治体、関係業界等と協力し、家庭での取組みと併せて、携帯電話やインターネットをめぐる様
々な問題に取り組みます。
C 被害防止・保護活動の推進
児童虐待、児童買春、児童ポルノ等の深刻な被害から青少年を守るため、関係機関、民間事業者等が
連携し、社会全体が協力した取組みを推進します。
青少年を取り巻く社会環境の大きな変化を受け、平成22年4月には、「子ども・若者育成支援推進法」が施行され、同法に基づく大綱として「子ども・若者ビジョン」が同年7月に作成されるなど、青少年施策に関する国の基本的な方針が示されました。同法では、子ども・若者ビジョンを勘案した都道府県・市町村子ども・若者計画を策定する地方公共団体の努力義務について規定しています。
県では、今回改定する指針を、同法に基づく県計画に位置付けることについて検討しています。
かながわ青少年育成指針は、青少年の育成と自立への支援を、県民全体の理解と協力と責任の下で進めていくための共通の道しるべとして、また、総合的な青少年施策の一層の推進を目的として、基本目標と目標の実現に向けた具体的な施策等について定めたものです。
<目標とする社会>
・青少年一人ひとりの存在が尊重され、その創造性やエネルギーが生かされる社会
・青少年が責任ある社会の一員として自覚を持ち、自立していける社会
・青少年の育成や自立への支援を地域社会全体の問題として共有する社会
<取組期間>
平成23年度から平成27年度までの5年間
<指針の対象>
青少年(0歳から30歳未満の者)が対象。ただし、施策によっては、40歳未満までの者も対象とします。
<指針の構成>
次の「3つの基本目標」と実現するための「12の施策の方向」で構成しています。
1 青少年の成長の基盤づくり
2 青少年の自立を支援する環境づくり
3 青少年の健全育成を支える地域社会づくり
T青少年の成長の基盤づくり
1 健康な心と体、確かな学力の育成
〇基本的な生活習慣と規範意識の形成
〇基礎学力の確実な習得と体力の向上
〇命を大切にし、思いやりを育む教育(道徳教育)の充実
〇心と体の健康に関する教育の充実
2 豊かな人間性と社会性を育む体験学習・社会参画の推進
〇子どもの社会参画の推進
〇文化・芸術・スポーツ活動に親しむ機会の創出
〇ボランティア活動・地域での多様な活動を通じた異世代間の交流、多文化理解、集団活動の促進
〇県・市町村・青少年関係団体の特性を生かした役割分担による青少年支援・指導者育成の推進
〇コミュニケーション能力の育成
〇小・中・高校生の放課後の居場所づくり
3 社会の変化に対応し健全に成長する力の育成
〇喫煙、飲酒の防止教育・啓発の徹底
〇薬物乱用の防止教育・啓発の徹底
〇情報モラル教育やメディア活用能力の育成
〇性に関する正しい知識の普及、適切な意思決定・行動選択能力の育成
○その他(安全教育、労働者の権利に関する知識、消費者教育、交際相手から暴力の予防啓発等)被害防止
教育の推進
U青少年の自立を支援する基盤づくり
4 多様な機関の連携による総合的相談・支援体制の整備
〇青少年サポートプラザの充実(ひきこもり地域支援センター、子ども・若者総合相談センター機能等)
〇少年相談活動の充実
〇医療、福祉、教育などの専門家による適切な相談・支援体制の充実
〇各相談機関・民間団体間の連携促進(子ども・若者育成支援推進協議会等)
5 ひきこもり等困難を抱える青少年の支援
〇自立支援プログラムを活用したひきこもりへの対応
〇発達障害などの青少年への支援
〇ひきこもり等課題を持つ青少年の家族への支援
〇ひきこもりに対応するNPO等民間団体への支援
6 非行防止対策及び立ち直り支援活動の推進
〇非行防止教室などによる少年の規範意識の醸成
〇地域連携による非行防止対策の充実
〇少年補導活動の充実による非行少年の早期発見・早期対応
〇少年サポートチーム、民間ボランティア等による非行少年の立ち直り支援
7 不登校・いじめ・暴力行為など学校が抱える課題への対応の充実
〇地域連携による不登校・いじめ・暴力行為への学校の取組みへの支援
〇関係機関・ボランティア等の地域人材を活用した対応
〇スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を活用した相談・指導体制の充実
8 社会的・経済的な自立の促進
〇若者の就労支援の強化
〇勤労観・職業観の涵養と職業能力開発
〇子どもの貧困問題への対応
V青少年の健全育成を支える地域社会づくり
9 社会環境の健全化へ向けた取組みの一層の推進
〇青少年保護育成条例の取組みの推進
〇青少年喫煙飲酒防止条例の取組みの推進
〇有害図書、ピンクちらし等有害環境の浄化活動の一層の推進
〇業界による自主規制の徹底
〇出会い系喫茶等新たに出現する多様な業態への対応
10 急激に進展する情報化社会への対応
〇インターネット上の有害情報対策の推進
〇業界による自主規制の徹底
〇ゲームや携帯電話をめぐる問題への取組み
〇首都圏の自治体及び民間事業者と協働した取組みの推進
11 被害防止・保護活動の推進
〇児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応の充実
〇児童買春・児童ポルノ等、青少年の福祉を害する犯罪対策の推進
〇自殺対策
〇犯罪被害にあった者等への対応
12 青少年の成長を支える豊かなコミュニティづくり
〇大人自身の規範意識の向上と青少年理解の促進
〇青少年を支える大人たちの地域活動の推進
〇家庭・地域の教育力の向上
〇児童・生徒等の安全確保と犯罪の被害に遭いにくいまちづくり
〇家庭・学校・地域の相互連携及び民間事業者・NPO・関係機関による協働の推進
〇青少年育成団体、青少年指導員、民生委員、保護司等多様な協力者の確保
■意見募集期間
平成22年10月1日(金曜日)〜平成22年10月30日(土曜日)
いただいたご意見は「かながわ県民意見反映手続」に基づくパブリックコメントとして「かながわ青少年育成
指針」の改定等の参考とさせていただきます。
■提出方法
(1)フォームメール(以下をクリックすると、フォームがご利用いただけます)
このホームページのほか、以下の窓口で、印刷物でもご覧いただくことができます。
お寄せいただいたご意見に対する個別の回答はいたしませんが、ご意見を整理した結果と素案のとりまとめにあたっての反映状況等を公表いたします。