尖閣諸島の近海で活動している中国政府の漁業監視船が、同諸島の最東端にあたる大正島の付近をパトロールと称して巡航していたと、中国紙が報じた。大正島周辺で中国の監視船が活動するのは初めてという。
大正島は魚釣島から東北東に約107キロで、尖閣諸島の最も東に位置する。報道通りなら、漁業監視船は沖縄本島との距離を100キロ以上も詰めてきたことになる。
中国紙の環球時報などによると、監視船は9月29日の夜、大正島付近の海域を航行した。これまで監視船は日本との摩擦を避け、尖閣諸島東部には入っていなかったが、「事実とすれば、広域での巡視活動を既成事実化しようと一気に100キロも踏み込んできた」(関係者)とみられる。日本領海に入ったかは不明という。
報道では「歴史的な巡航を達成した」と成果を強調している。2隻の監視船に対し、日本側は海上保安庁の巡視船6隻で警戒していたが、監視の“網”をすり抜けられてしまったのか。