平成18年2月24日

減らそう犯罪情報官ワンポイントアドバイス
                                           

皆さんこんにちは・・・減らそう犯罪情報官です。

第13回目となる今回のワンポイントアドバイスは・・・
注目 色と防犯
      
〜青色って防犯の色?〜 

についてです。

 「最近,青色回転灯を取り付けた車が走っているのを見かけるんですが,なぜ青色になったんですか?」という質問をよく受けるんですが,そもそも,この青色回転灯が導入された経緯は,三重県の防犯ボランティア団体が,緊急車両の赤色や道路維持車両の黄色以外に市販されている回転灯で目立つ色を考えたとき,青色しかなかったということらしいです。
 それでは,今回は,「色と防犯」について,今,話題になっている青色街路灯を例にお話しましょう。

広島県内では,どこに設置されているんですか?
 青色街路灯は,広島市中区本川町や十日市町に設置されていますが,これは,あるテレビ番組を見た警察官が「これだ!」ということで,広島市中区役所や地域住民の方々と連携して,昨年8月に本川町2丁目4番角に12基,今年に入って本川町と十日市町に合計43基の青色街路灯を設置したようです。このほか,県内では,広警察署管内の呉市仁方にも4基設置されているんです。

その警察官が見たのは,何だったんですか?
 それは,青色の街路灯が立ち並ぶストリートの映像で,窃盗や強盗など凶悪犯罪が絶えなかったイギリスのグラスゴー市の中心部ブキャナン通りで,夜景をきれいにしようと,街路灯をオレンジ色から青色に変えたところ,犯罪が減少したというものだったようです。

エ!街路灯の色を変えただけで犯罪が減ったんですか?と言うことは,色によって,防犯効果に違いがあるということですか?
  科学的根拠はないようですが,ただ,色には,いろいろな効果があると言われているんですよ。例えば,赤色は,色相で区分すれば暖色に当たり,感情で言えば「積極的」「活動的」な色のようですから,自分の気持ちを前向きに持ち上げていく効果があるようです。
 そして問題の青色は,時間を短く感じさせる効果や,人間の感情を落ち着かせる効果があるので,青色街路灯は鎮静効果があると言われているんです。

でも,若い女性の中には,「不気味」という声もあるようですが・・・
 確かに青色は,「陰気」「寂しい」といったマイナスのイメージもあるので,違和感はあると思います。
 でも,その違和感がいいのかもしれません。というのも,だれもが安全・安心を実感できるまちづくりを進めるためには,住民の縄張り意識を高めることが一つのポイントだからです。

ということは,青色街路灯が設置されている地域は,その地域の住民の方々の縄張りであるということをアピールしているということですか?
 縄張りの語源は,自分が植えた稲を他人から守るために,田んぼに縄を張り巡らせて境界を定めることであったと言われているんです。ですから,この青色街路灯によりその地域が他の地域と異なる感じを与えるということは,敵の侵入から地域を守るための環境設計ということにもなるとも考えられるんです。
 学識経験者の中には,青色の鎮静効果というより,この「領域性」の問題というよう

に捉えている方もおられます。                犯罪に強いまちづくり図    
 犯罪に強いまちづくり図りもう一つ,縄張り意識を高めるためには, 防犯カメラや人の目による監視性を高めることが必要だと言われています。

それと,青色街路灯の関係は?
 プルキンエ現象って言葉を聞いたことがありますか?
実は,この理論,1826年にチェコのプルキンエという学者さんが発見した現象だそうです。これは,薄暗い時間には赤色が暗く見え,波長の短い青色が明るく見える現象なんです。
 青色街路灯は,これが設置されている場所が目立つということもありますが,その通りは,明るく見えるので,監視性を高めることもできるそうです。

なるほど,色と防犯って関係があるようですね。


  広島中央警察署によると,設置した付近での犯罪の発生は減少しているとのことですが,設置効果については,もう少し検証してみる必要があると思います。
 新たに自治体や地域が街路灯や防犯灯を設置される際には,犯罪防止といった環境設計の面でアドバイスしていきたいですね。

【減らそう犯罪情報官記】