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海難事故:加賀で漁船、香港の貨物船と衝突「海荒れていない」 けが人なし /石川

 1日午前1時半ごろ、加賀市の橋立港沖約16キロの日本海で、県漁協加賀支所所属の底引き網漁船「第二大栄丸」(17トン、福畑文二船長)と中国・香港籍の貨物船「大平(DA PING)」(5275トン)が衝突。第二大栄丸の左舷と船橋が半壊した。大平号も一部損壊。双方とも乗組員にけがはなかった。

 敦賀海上保安部によると、第二大栄丸は操業中。大平号は伏木富山港から敦賀港(福井県敦賀市)に向け航行中で、衝突後も航行を続けていたことから、第8管区海上保安部が停船を指示した。業務上過失往来危険容疑で双方の船長から事情を聴いている。

 第二大栄丸はこの日、赤ガレイの底引き網漁のため出漁。事故当時、乗組員たちは船尾付近の部屋で仮眠中で、「がしゃん」という激しい音と衝撃で跳び起きたという。部屋の外に出た時点で既に相手の船は数十メートル先だった。貨物船で、船尾に漢字が書かれていることは確認できたが、外国籍の船とは分からなかったという。

 乗組員の男性(26)は「海は荒れていなかった」と証言。11月にはカニ漁が解禁されるが、日中関係がぎくしゃくする中で補償の行方は不透明だ。「1年で一番の稼ぎ時。漁がいつ再開できるか不安だ」と話した。別の乗組員の男性(33)は激しくつぶれた操舵(そうだ)室を眺めながら「居眠りでもしていたのではないか」と怒りをあらわにした。【酒造唯、宮嶋梓帆】

毎日新聞 2010年10月2日 地方版

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