北朝鮮の金ジョンウン、最大のコンプレックスは「母」−韓国メディア

　北朝鮮の金正日総書記の三男である金ジョンウン氏の身辺情報が徐々に明かされてきた。9月30日、ジョンウン氏の写真がついに公開され、表舞台に登場したが、「最大のコンプレックスは母親だ」と韓国メディアは報じた。

　今までジョンウン氏の母は、故高英姫夫人だとされてきた。ただ、4番目の金玉（キム・オク）夫人が母親だとのうわさもあり、真実は定かでない。韓国メディアは「北朝鮮の住民たちは、ジョンウンの母が誰なのか正確に知らない」とし、異母兄弟の金正男氏が「金玉（キム・オク）の息子だ」と話していたとの主張もあると紹介。

　同メディアはまた、韓国・西江大学のキム・ヨンス教授の見解も詳しく紹介し、金ジョンウン氏のコンプレックスは「堂々とできない母親だ」と伝えた。3番目の高英姫夫人であっても4番目のキム・オク夫人であってもポスト金正日としては「正統性が弱い」という。さらに、ジョンウン氏が生まれた83年には夫人金英淑氏以外に、高英姫夫人とも同棲状態だったため、金玉夫人の息子ともなれば状況はさらに複雑になる。

　記事は「高英姫が産みの母親であれば側室生まれ、キム・オクだと不倫の種」と、その複雑な関係を指摘。その複雑な私生活が公になることを恐れる北朝鮮は、すでに制作済みのジョンウン氏の肖像画1000万枚を配布できずにいる。金教授はその理由を「母親を明かすことができないからだ」と分析。

　北朝鮮は今まで素顔がほとんど知らされていなかったジョンウン氏が党代表者会に出席している映像と記念写真を突如公開、権力継承のアピールともとれる。ただ、北朝鮮の住民や現役軍人からは失望や不満が続出との報道も多い。27歳での異例な抜てきだが、ジョンウン氏を取り巻く状況は厳しいということがうかがえる。（編集担当：金志秀）