カラードレーピング色彩論と色の基本なぜものが見えるの光と色光が人体に及ぼす影響
自然光と人工光カラーセラピー色彩と心理色彩と文化色彩の持つ特性



 太陽光緯線の必要性が理解していただいたでしょうか。室内にこもりがちで、外で遊ばない子供たちに、くる病が多いと言われています、この子達は、いくら栄養満点の食事をしても効果がありません。成人に見られる骨軟化症や、骨粗鬆症も、紫外線不足が原因になっている場合が多いといわれています。われわれは、紫外線による日焼けなどの影響には注意を払いますが、紫外線の不足について考えません。しかし、北欧などのように、より緯度の高い地域に住む人たちにとっては、大変大きな問題なのです。少しでも日が射すと、積極的に日光浴をしたり、健康に注意している人は、室内の照明に、紫外線を含むフルスペクトルライトを使用しています。
 生活環境にも、まったく同様のことが言えます。多くの人たちは、空間や食事、温度や湿度には気を使いますが、光の質について注目され出したのは、比較的最近です。 現在、文明社会では、子供から大人まで、ほとんどが室内で過ごす生活を送っています。したがって、彼らに与えられる光は、人工光線です。 いくら良い食事をとっても、ビタミン剤を摂取しても、正しい光無しではストレスがたまり、体に不調をきたします。
 それほど光は重要であることが最近わかってきました。「光の質」はあらゆる生物に影響を与えます。色温度や演色指数は精神状態に影響を与え、脳の発達に影響すると言われています。また、ビタミンDを活性化するための紫外線は不可欠な要素です。

.普通電球色温度 2800k
b.暖色系、特に赤系の光エネルギーをもっているので、
  赤い色をより鮮やかに見せる。
c.蛍光灯色温度(白色)4200k(昼光色) 6500k
  青から黄色の光エネルギーが多く、寒色系の色を鮮やかに見せる。
d.ハロゲン電球色温度 3000k〜3200k
  普通電球と同じような特徴をもつが、
  色の見え方は、普通電球より優れている。
e.フルスペック蛍光管(スパイラル蛍光管)色温度  5500k
  中・近紫外線、可視光線の両領域において最も太陽光に近い 。


  
 インテリアは照明器具の光源の違いにより色が変化する。そこから感じるイメージも変わります。
同時に、そこで暮らす人々の健康にも永享を与えているのです。


光で子供が産み分けられる?

 通常の蛍光灯は、明るさを増すために、人間の眼の感度が最も高い黄色から緑色のスペクトルを最も多く含むように設計されています。このため、太陽光と比較するとカラーバランスが崩れているのです。
 ある実験で、夫婦の寝室に白熱光で照明をすると、70%が男を30%が女を出産したという報告があります。
 また、蛍光灯のしたでは、70%が女、30%が男を出産したという記録もあるのです。
 (但し、はつか鼠を使った実験の結果です。人間の実験結果はまだ聞いていません)
 


 フルスペック蛍光管は、太陽光から長期間隔離された状態で生活する宇宙飛行士の健康を守るために、NASA(米国宇宙航空局)がDURO-TEST社と共同開発した「自然光にもっとも近い蛍光灯」といわれています。 


 植物の形は蛍光灯で育てると日光で育てた場合と少し違ってくる場合が多いようです。蛍光灯の下で植物を育てた場合、太陽光の下で育てたものより茎が短い「寸詰まり」の形になるようです。
 日光は当たると暖かいのですが、蛍光灯はそれほどでもない、という違いがあります。これは、蛍光灯の場合、あまり赤外線(目に見える光より波長が長く水に吸収されるので体にあたると暖かく感じる)があまり含まれていないせいです。赤外線は、光合成には影響はしませんが植物の形づくりには重要な役割を果たしていると考えられるのです。


 1973年米国フロリダで、行った実験の結果報告があります。
 クールホワイト蛍光照明の教室と、自然光に近いフルスペック蛍光照明を行った教室の違いを調査したところ、クールホワイト蛍光照明の教室では、疲労、イライラ、注意力散漫を示すものがいたが、フルスペック蛍光照明の教室では、これらの状況が著しく改善されたというのです。更に、虫歯の数が、クールホワイト蛍光照明の教室に比べフルスペック蛍光照明の教室では1/3に減少しているのがわかったというから驚きです。
 有名なエレクトニクス企業であるフィリップス社は青色の波長を強調したアクティビバという蛍光灯を 2006年に発売し始めました。これは、工場での生産効率を上げたり、勉強の学習効率を上げたりするという革命的な蛍光灯だとのコトです。
 人間の目には、光を認識する桿体細胞と色を認識する錐体細胞があります。
 このレセプター=受容体は青色光に非常に敏感で、我々の生体リズム(例えば日または月の特定の期間の我々の睡眠サイクルとホルモン分泌物)を支配する体内時計に、信号を送ります。この レセプターでは青色光受容体のCryptochrome(s),クリプトクロームが重要な働きをしているものと思われています。クリプトクロームは植物から動物にいたるまで、あらゆる生物に存在していて、重要な働きをしているようです。天気がよいと気分がよくなり、天気が悪いと気分がすぐれないという理由は、このクリプトクロームが太陽光線に多く含まれる青色の光を受けると強く反応して気分がよくなることのようです。

参考資料
我が家でも、フルスペック蛍光管 「TRUE-LITE」を使っています。

我が家で使っているフルスペック蛍光管「TRUE-LITE」。

図の右側が電球型蛍光灯です、TRUE-LITEは左側です。
このほかに、普通の蛍光管と同じ形態をした、「TRUE-LITE」もあります。

最近、色がきれいに見えるという電球型蛍光管がたくさん出てきました。でもそれらは、フルスペック蛍光管とは違います。それらは、光りのスペクトルを調整した、演色照明というものです。


 2006年の6月末に、石川県野々市町の青色防犯灯を使った防犯実験が、国の「全国都市再生モデル調査」事業に指定されました。野々市町のHPには、なぜ野々市町で青色街灯なのかということについての説明と実験の報告書が掲載されています。
 野々市町のHPによれば、「平成12年ごろ、イギリス北部(スコットランド)のグラスゴーというサッカーの盛んな都市で、ブキャナン通りという所の景観を良くしようという試みがありました。 それまでブキャナン通りの街灯はオレンジ色だったのですが、道路が大理石でできており、街灯の色を変えると地面に反射しファンタジーな景観に変わるのでないか?と考え、街灯を全て青色に変えました。この試みは成功し幻想的な雰囲気の通りへと変わりました。 すると、1年後さらに驚くことがおきたのです。街灯を青色に変えた後、ひったくりやけんかなどの犯罪件数が年間1万件も減少したのです。
 科学的根拠はないのですが、街灯を青色に変えたことが大きく関わっているのではないか、と世界中から注目されるようになりました。 イギリスのグラスゴーの話は世界中に広まり、日本でも各自治体で導入をはじめるところが出てきました。凶悪事件が相次いだ奈良県と広島県をはじめとして、沖縄県、静岡県、群馬県、愛知県、福島県、富山県など多くの都道府県で導入されてきています。」
 野々市町のHPから

 青い光に「人の心理を冷静にさせる効果がある」ことに着目し、踏切での人身事故の防止策として、18年12月からJR西日本大阪支社(大阪市)が阪和線と関西線の32踏切に青色発光ダイオード(LED)の照明灯を試験的に設置したところ、32踏切で発生した飛び込み自殺などの死亡事故は過去4年間で年間4〜9件にのぼったが、設置後はゼロだったことが分かった。
 専門家は「青色の光は人の精神を落ち着かせる効能があるとされ、自殺防止の観点からみても非常にユニーク」と全国の鉄道でも初の試みを評価している。

 青色がなぜ犯罪を減少させるかについては、いくつかの要因が考えられています。
ひとつは、暗い場所だと、波長の短い青色の電灯は遠くまで光が見えやすいということ(プルキニエ現象)。
二つ目は 生理学的に、青色を見ると、副交感神経が活発に働き、血圧が下がり、脈拍が落ち着くといった効果があるとされていること。 また、青色には鎮静作用があり、心が平穏になって本能的な衝動が抑えられるため、衝動的な犯罪を抑止する効果があると考えられています。さらに、最近の脳研究によって、青色を見ると視床下部が刺激されてセロトニンという神経伝達物質(脳内ホルモン、脳内物質)が分泌されることがわかってきました。(ちなみに赤色はアドレナリン(興奮作用がある)、ピンク色はエストロゲン(女性ホルモン)を分泌させます。)
 セロトニンは癒しホルモンと呼ばれ、このセロトニンが不足すると精神的に落ち着かず、キレやすくなったり、鬱病になったり、不眠症になったりします。大半の精神安定剤、睡眠薬は、このセロトニン不足を解消することを目的として開発されています。青色が犯罪を減少させる効果があるのは、このセロトニンが分泌されることと関係が深いように思われます。