日米中の為替戦争、アジア全体に飛び火(上)

 日本、米国、中国の3カ国が触発した世界的な為替戦争の戦線が、韓国をはじめ、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアなどアジアの新興国にまで拡大している。世界的な金融危機以降、「経済の優等生」に浮上した新興国(エマージング・マーケット)の一部が日米中の為替政策に対抗し、為替市場に相次いで介入する動きを見せているためだ。

 こうした為替介入は、自国通貨の上昇ペースを抑え、輸出競争力を維持するための苦肉の策だ。しかし、米下院は9月29日、為替レートを人為的に操作する国が輸出する商品に報復関税を課すという内容の制裁法案を可決した。同法案は中国政府に人民元切り上げを促すことを目的として制定されたものだが、アジア各国も「流れ弾」を受ける可能性が高まっている。

新興国通貨、9月に大幅高

 9月29日時点でシンガポールドルは1ドル=1.3168ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。同日にはタイバーツ、マレーシアリンギも、対ドルで1997年のアジア通貨危機以降、最高値を記録した。

 新興国の通貨価値は、年初来対ドルで一斉に上昇した。上昇幅はマレーシアリンギが11.14%に達したのをはじめ、タイバーツが9.77%、シンガポールドルが6.71%、インドネシアルピアが5.25%など軒並み5%を超えた。このほか、韓国ウォンは1.92%、ブラジルレアルは2%上昇した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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