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猛暑:秋の楽しみに異変 咲かぬ彼岸花、嘆きの観光地 続く野菜高騰、ネギ3倍

高値が続くキュウリ=堺市堺区のイトーヨーカドー堺店で2010年9月18日午前、馬場理沙撮影
高値が続くキュウリ=堺市堺区のイトーヨーカドー堺店で2010年9月18日午前、馬場理沙撮影

 厳しい暑さはようやく峠を越えたが、その影響は収まる気配がない。秋の花は開花が遅れ、行楽シーズンを迎えた観光地は「連休なのに、お客さんは集まるのか」と心配。一方、生育不良による野菜は今も例年より2~3割ほど高めで、関係者は「落ち着くのは10月下旬ごろになりそう」と話す。「スーパー猛暑」と言われた今年の夏。残暑の余波はまだしばらく続きそうだ。【服部陽、古関俊樹、川畑展之】

 田んぼのあぜ道などを赤く染める曼珠沙華(まんじゅしゃげ)(ヒガンバナ)が村内全域に群生する奈良県明日香村。例年この時期に満開となるが、今年は猛暑の影響でほとんど咲いていない。18日からは「彼岸花祭り」が始まった。実行委員会は「祭りの時期に咲いていないのは前代未聞です」という。毎年1日1万~1万5000人が訪れるが、今年は大幅に下回りそうだ。担当者は「花咲かじいさんにでもなりたいが、自然にはかなわない」と嘆く。

 コスモスの名所、兵庫県・淡路島の「あわじ花さじき」でも猛暑の影響が出ている。約5ヘクタールの敷地に100万本のコスモスが楽しめるが、今年は35度を超える日が連続したことから、花が例年に比べて小ぶりになる見通しだという。10月2日からは「コスモスまつり」を予定。担当者は「気温が下がる来月には見ごろになるだろうが、心配です」と話している。

 食物への影響も残る。農水省によると、レタスやトマトなどの小売価格は9月上旬で平年より2割ほど高めだ。青ネギは仕入れ価格で3倍にまで上昇しているところもある。野菜の高値傾向は8月初めから続くが、スーパーでは今も葉ものを中心に通常を大幅に上回る値が付いている。

 堺市堺区にあるイトーヨーカドー堺店では、ほうれん草や小松菜などが通常より2~3割高い。担当者は「仕入れ段階では4割ほど高いが、利益を削って3割程度に抑えている」と苦労を打ち明ける。最近の雨の影響でレタスなどの相場は持ち直してきており、キノコ類は例年並みだ。担当者は「猛暑が続き雨も少なかったため、出荷量が上がっていない。気温が下がる10月下旬以降は値段も落ち着くはず」と期待する。

毎日新聞 2010年9月18日 大阪夕刊

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