東シナ海ガス田開発 日本政府、掘削の可能性を示唆する海面の変化をこれまでに確認
FNNのカメラは1日、日中両国が共同開発を行うことで合意している白樺ガス田をとらえた。
大海原の中にある巨大な建造物。
沖縄本島の北西およそ400km。
東シナ海の日中中間線から、わずかに中国寄りの場所に建設された白樺ガス田(中国名・春暁ガス田)。
2年前に日中両国が共同開発することで合意しているが、最近、中国側による機材搬入が確認され、中国が単独で掘削を行う可能性が指摘されている。
1日は、海面の色に大きな変化は見られなかったものの、日本政府は、掘削の可能性を示唆する海面の変化をこれまでに確認している。
東海大学海洋学部の山田吉彦教授に1日の映像を見てもらうと、「ドリルは入っているんですがドリルは動いていない。見栄えは、ほぼできあがっているんですが、おそらく海底での実際の掘削というのは、ほとんどできていないのではないでしょうか。1つ考えられるのは、張り子である可能性」と話した。
FNNが白樺ガス田を撮影したのは、今回が3回目。
2004年には、まだ足場しかなかった白樺ガス田だったが、2006年にはクレーンとビルのような白い建物が確認され、その屋上にはヘリポートがあった。
そして1日、新たに赤と白の掘削機のようなものが作られていた。
ガス田周辺には、船体が赤の2隻の船がいた。
山田教授は、「これは外洋型タグボートといって、タグボートの大型版で、力が強くて作業が甲板でできると。おそらく、これは白樺に運び込む何らかの資材を積んできたものだと思います」と話した。
続いてFNNのカメラが向かったのは、樫ガス田(中国名・天外天ガス田)。
そこでは、長いクレーンのようなものの先にフレア(炎)を確認できた。
採掘作業が行われているということが確認できる。
炎のほか、人が働いている様子も確認できた。
ここは白樺ガス田とは異なり、日中による共同開発の合意には至っておらず、すでに中国側によって生産中とみられている。
これについて、日本側は「地下で日本側の天然ガスも吸い上げられている可能性が高い」として抗議している。
そして、白樺ガス田と樫ガス田の間の海には、おびただしい数の船が停泊、もしくは航行していた。
この船団について、山田教授は「これは民間の漁船団です。漁業監視船がいないかと見たんですが、それらしい船はおりませんので、純粋に民間の漁船団だと思います」と話した。
日中間の大きな懸案となっている東シナ海のガス田。
日本政府は、「白樺ガス田で中国側が掘削に着手した場合には、しかるべき措置をとる」として、けん制している。
(10/01 18:03)