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【大リーグ】

松井、バット逆さまで打席へ!? ホームラストは敬遠で終わり…

2010年10月1日 紙面から

アスレチックス戦の延長10回、打席で審判、捕手と話すエンゼルスの松井秀=エンゼルスタジアムで

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 【アナハイム阿部太郎】松井、ホーム最終戦で“サヨナラパフォーマンス”−。エンゼルスの松井秀喜外野手(35)は29日(日本時間30日)のアスレチックス戦の10回1死二、三塁、代打で登場すると敬遠策に対して一瞬バットを逆さまに持って笑いを誘い、11回には久々の守備で二塁への好返球で相手のチャンスの芽を摘み、その裏のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。これが今季限りでの退団が確実の松井にとって、エンゼルスの一員としてはホーム最後の勇姿か−。

 今季、本拠地最終戦。平日のデーゲームで空席が目立つスタンドを、松井が攻守で沸かせた。まずは、10回1死二、三塁だ。ファンからの大歓声を浴びながら代打で登場すると、当然のように相手バッテリーは敬遠策。ここでゴジラ流のジョークがさく裂した。

 何と、打席に入る寸前に、一瞬グリップとヘッド部分を入れ替え、バットを逆さに持ち、カート・スズキ捕手の笑いを誘ったのだ。結局バットを一度も振らずに歩かされたが、試合後は「サービスショット、ちゃんと撮ってくれた?」とご機嫌。恩師の長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)は敬遠と分かってバットを持たずに打席に入ったという伝説があるが、さすがは?教え子だ。

 この日はこれだけで終わらなかった。延長11回に入ると、ソーシア監督は松井に7月28日のレッドソックス戦以来となる約2カ月ぶりの左翼守備を指示した。「びっくりですね、正直。もう(守備機会は)ないと思っていたから」。突然のことでグラブをクラブハウスに取りに戻り、守備に就くのが遅れたのはご愛嬌(あいきょう)。守りでもしっかり見せ場をつくった。

 先頭ラリッシュの左翼線の打球に猛然とダッシュすると、素早い処理で二塁へ好返球し、打者走者を進ませなかった。試合後、指揮官から「鍵となるプレーだった」と絶賛された松井は「日本では守備が代わったら、打球が飛んでくるという言い伝えがあるぐらい。その通りになった」と“舌好調”で振り返った。

 結局、チームはその裏にハンターの適時打でサヨナラ勝ち。好守で勝利を呼び込んだ松井にとって、エンゼルスのメンバーとしては最後となる可能性が高いホームゲーム。地元ファンへの“サヨナラ”となったかもしれない。

 

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