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思いやり予算増額要求 米政府、忍従から攻勢に転換 「緑の同盟」が布石

産経新聞 9月22日(水)1時23分配信

 思いやり予算をめぐる日米協議は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題の迷走に忍従してきた米政府が攻勢に転じる構図となる。「ビタ一文、上積みは認めない」(民主党幹部)と息巻いても米側は対中抑止力提供の対価だと一蹴(いっしゅう)する公算が大きい。在沖縄海兵隊のグアム移転で追加負担を引き出すことも視野に入れており、口先だけで「同盟深化」を唱えてきた民主党政権は高い代償を求められる。(半沢尚久)

 米側が思いやり予算の大幅増額を求める背景には、深刻な国内事情がある。

 対テロ戦の影響で米国防費は10年で倍増し、財政を圧迫する。5年間で国防費を1千億ドル(約8兆6千億円)節減するリストラを余儀なくされ、在沖縄海兵隊のグアム移転についても経費削減を求める議会の圧力は強い。

 このため、米側には日本政府は日米防衛協力を強化するための努力を怠っているとの不満が渦巻いている。中国に対する抑止力と対処能力向上に向け、主体的な役割を果たそうとしないならば、「せめてカネを出せ」というのが米側の本音なのだ。

 そのための布石も打ってきた。5月の日米共同声明に「緑の同盟」というキャッチフレーズを盛り込み、環境対策を打ち出したことだ。「緑の同盟が何を意味するのか不明だ」(防衛省幹部)というほど米側は手の内を明かさなかったが、最近になって米軍基地でエコ対策を進める方針を非公式に伝えてきたという。

 共同声明には、日本国内のみならず、在沖縄海兵隊が移転するグアムの施設整備にもエコ対策を適用する根拠も埋め込んである。グアムの基地に太陽光発電など再生可能エネルギーの導入について「思いやり予算の『構成要素』として検討する」と明記したのが、その根拠だとされる。

 緑の同盟には戦略的意義も込められている。日米の環境技術を太平洋島嶼(とうしょ)国のインフラ整備に生かし、そうした地域への中国の影響力拡大を抑えるという戦略だ。米側には米軍基地のエコ対策をその前段の取り組みと強調することで「実利」をオブラートに包む思惑もあるとみられる。

 一方、日本側は戦略的意義には賛同しても、思いやり予算の大幅増額は受け入れがたい。事業仕分けで思いやり予算の6割を占める基地従業員の労務費を「見直し」対象と判定するなど、削減は民主党政権にとって事実上の「公約」となっているからだ。

 あくまで削減に固執するならば、対中戦略で主体性を発揮できる防衛態勢を構築すると説得するしかない。思いやり予算に関する特別協定の日米協議と防衛力整備の基本方針「防衛計画の大綱」の改定はともに年末が期限となっており、菅直人首相の“現実主義”の真贋(しんがん)が試される。

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最終更新:9月22日(水)1時28分

産経新聞

 

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