さて、本日は昨日に続き陸山会事件を整理する。
昨日は所謂『嫌疑不十分』について詳説した。既に検察当局としては『一事不再理』の原則から本件は不起訴で終結する。
（実は、法律上はすごいことである。）
陸山会事件に於いては、石川議員ほか3名の秘書と共犯に問われている小沢氏につき分離して扱う必要がある。
理由は、共犯は別途更に共犯に足る要件を充足しなければならないからである。
したがって小沢氏を頂上とするなら以下の必要条件を証拠含め満たす必要がある。
なお小沢氏の顔が怖いので有罪という主張は、日本の法律には無いので事前に申し上げておく。
１）当時陸山会の会計担当者であった石川議員並びに他2名の秘書にかかる政治資金規正法違反事件。
２）上記にかかる小沢氏の政治資金規正法共犯事件。
まず１）については、昨日以下のように整理した。
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04年度の収支報告書自体に虚偽は無く、05年度にも無い。しかしながら、05年度に書いてあるものは本来04年度に記載すべきものであるから、04年度も05年度も虚偽であると云う主張に過ぎない。
小紙は、政治資金規正法第一条には【政治資金の収支の公開】がうたわれており、今般07年度収支報告書が確定すれば、報告書の会計連続性が担保されたこととなるから、きちんと公開されていると弁論する。
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ここで重要なことは、政治資金収支報告書も会計収支である以上、現預金及び資産・負債に関し、繰越額を計上することから、翌年は前年に連続して収支が整合性を有することとなる点である。
近く第一検察審につき再聴取していた検察当局が07年度分につき不起訴とする見通しで、この場合07年度分会計収支が整合性を有するとの結論であるから、演繹的に04年05年06年の会計収支も整合性を有することとなる。
残余は【計上時期】のみが残され、第五検察審でもその点が主要な争点になると思われる。
政治資金収支報告書に於いては【外形的収支】を記載すればよいとされており、支出に至るまでの実質を記載する必要は無い。
この会計原則の場合、各会計年度の現・預金繰越額から仮に現・預金に不記載があれば、結論から云えば07年度に於いて収支が合わなくなるはずである。
しかしながら陸山会に於ける政治資金収支報告書については、各会計年度に於いてその連続性は正しく収支されている。
すなわち、後は、計上時期が違うという争点のみが残されることとなる。
そこで第五検察審の指摘は、04年に記載すべきものが記載されておらず、05年に記載されているので、04年05年ともに虚偽記載であると指摘している。
ここで、実際の土地登記簿はどうかと云えば、04年10月に仮登記、05年1月に登記とされており、04年10月時点では畑であったとされている。
だが土地代金の支払いは04年10月に完了しており、民法上ここで計上すべきとの指摘がある。
ただ民法206条に於いて、『所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。』とされており、農地法が法令である以上争いがある。
つまり、争点は益々狭まり、もし仮に04年10月に政治資金収支報告書に記載するとなると、第一はその時点で【外形的に本当に陸山会の会計からお金が支出されたか】が重要になる。
第二は、農地法ではそもそも知事の許可が無ければ、農地を宅地に農転できないとされているところ、それを無視して、資産計上せよということになってしまう。
しかし農地法と民法の条文上は、そのように読めず、陸山会の04年度政治資金収支報告書に於いては『取得中』と判断することが最も05年の資産計上含め辻褄が合うのである。
だがこの場合、石川議員は無罪となり、政治資金収支報告書は正しいという結論になる。
また仮に04年度10月に記載すべきという指摘であれば、前述の疑問を晴らした上で、なおかつ、さようなことをする犯意がそもそも石川議員に無いのではないかと云うことになる。
つまり陸山会は何も考えていなかったのではないかとここでは本件事件を解している。
少なくとも04年05年にかかる陸山会政治資金収支報告書は、会計上合っている。
したがって検察側は、資産負債両面に於いて記載ミスがあると指摘しなければならない。
（でないと話が会計上合わなくなる。）
このように04年度陸山会政治資金収支報告書に虚偽記載を立てようとすると、前述のとおりの制約が出て、その後の話が全く合わなくなってしまうのである。
一方、05年度に記載すれば、全ての法令手続を満足し、しかも全ての04年〜07年の話がスッキリと合うのである。
しかも今般、第一検察審で指摘されていた07年度分収支にかかる指摘が、検察当局の不起訴処分で確定する場合、ほんじゃ04年と05年はどうなるんじゃと云うことになる。
会計は、連続して整合性を有するからである。
これは単純な単年度会計でも、複式簿記でも同じである。
さてここまで述べてきたことは１）の陸山会の会計にかかる事件であり、共犯はまた更に異なる高い山がある。
それは、政治資金規正法の会計責任は、法律的に会計責任者と定めていて、代表者は選任及び監督責任のみ問われる。
だが勿論、選任に問題などないし、かつ、代表者署名もない。
共犯に問うには、その記載を積極的に指示し、犯罪を構成したような事実を立証しなければならないが、そもそも陸山会はこの手続自体を普通にしていただけと見ており、小沢氏がそれに関わるような筋合いも考え難い。
結局のところ本件は、陸山会としては普通の手続、普通どおりの会計であったところに、後付で事件化がされたのではないかと見ている。
だから会計は04年05年06年07年で合っているから、本来04年に書くべきことが05年に書いてあるから双方虚偽だと云うしかないのではないか。
更に第五検察審の議決では、共犯を立証するのが困難であるから、遂に暴力団事件に使われる「絶対的な地位」などの言葉を使わざるを得なくなったと見ている。
しかし政治資金規正法上の代表者の地位はさようなものではない。
書いた指定弁護士は、何ら説明していない。
さように、仮に04年に記載するとなると、それを説明する方が政治資金収支報告書上の整合性を泥縄にしてしまう。
すなわち、05年に書いた方が諸法令含めスッキリする。
因って、石川議員は虚偽記載をしていないし、したと供述したとしても錯誤があったのではないかとここでは推測している。
なぜなら一連の会計が合っているからである。
況や小沢氏にそんな犯意があったなどとは到底思えず、容疑は単に顔が怖いという理由だけであったのではないかと結論したい。
以上
東京地検特捜部 異常な取調べが社会問題に発展か！※事実経過。
04･10･５ 小澤個人が市街化区域内の農地（地目＝畑）の売買を予約。
04･10･29 小澤個人が３億４２００万円を支払うが、農地法５条により直ちには所有権移転ができないので所有権移転請求権仮登記を行うにとどめる。権利者＝小澤一郎。
同日小澤個人は４億円の銀行融資を受け、そのまま陸山会に転貸。陸山会は即日２億円の定期預金２本に組む。これらは04年収支報告書に記載。
05･１･７ 農地法５条による転用届出が受理されたので、所有権移転を登記する。所者者＝小澤一郎。同日確認書により陸山会に移譲（民法上の売買）。陸山会は土地代金･登記料･登記手数料等３億４２６４万円を小澤個人に支払う。これらは、05年収支報告書に取得原価として記載。
05・06年中 陸山会定期預金を２億円ずつ解約し、小澤一郎個人に返済。それぞれを05年および06年の収支報告書に記載。
07年中 小澤個人は、右記２億円×２＝４億円で、期限通り銀行に返済。定期預金を解約。07年収支報告書に記載。(以上)
※第五審査会「起訴相当」要旨。
【容疑内容】陸山会は04年10月、３億４千万円で土地を取得したのに、�‖腟彿櫃叛仞遒篭λ鼎靴銅�支報告書に記載せず、��大久保と池田が共謀して、05年１月７日に取得したと虚偽を記載した。
【審査会の判断】石川・池田は小沢に事前報告・相談をしたと供述。担当者に任せていたとの小沢の供述は不自然である。
�‐�沢からの原資での購入事実を隠蔽するため銀行融資を受けるなど執拗な隠蔽工作ををした。
��代金は支払い済みなのに、05年固定資産税の負担を合意してまで本登記を翌年にずらした。
��小沢の多額の資金を周囲やマスコミに騒がれないための工作と推測。
�だ簑亳⇔麓埔�沢に無断で秘書らが隠蔽工作をする必要も理由もない。
とし、共謀の認定は可能としているが、１ページに詳述した全事実は、議決が全て虚構であることを立証している。(以上)
オリーブ拝 ( 2010/09/20 18:55 )