人を信じるって難しい -発達障害の悩み-
テーマ:あすぺさんの気持ち※携帯でご覧の方:4コマ漫画を選択してOKで、拡大されて読みやすくなります
お知らせ
携帯でご覧の方で、メモリ不足でマンガを見られないことがある、とのご指摘をいただきました。できるだけ、多くの方に楽しんでいただくため、今回からマンガの画像のサイズを下げるために少し画質を下げました。
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さて、「人を信じるって難しい」。
ごくごく一般的に言われる言葉です。
…が、今日のお話は、そういう次元とは全く異なります!
発達障害が感じている「人を信じることの難しさ」についてお話します。
私は、子供の頃は人の言葉を疑うことが少なく、よく騙されました。そのため、中学生になるころには、安易に人を信頼しなくなっていました。それだけに、「信頼できる人がほしい」という気持ちが強かったように思います。
ここで、私が「信頼できる人」というのは、ちょっとやそっとの信用のことではありません。
全人的に崇拝できるような信頼を寄せることができるレベルの人
これが、私の「信頼できる人」の定義だったのです。
当たり前ですが、そんな人が現実にいるわけありません。
けれど、以前の私は人を信頼するということは、その人の全てを100%信頼するか、そうでなければ「信頼できない」、つまり、0%の信頼だったわけです。
100%の信頼ってどういうことでしょう?
発達障害の人は、自分と他人の境界があいまいで、他人も自分も一緒くたにしてしまうところがあります。それが、まさに、人を信じるというところに、顕著に現れてしまうのです。
冒頭のマンガがその一例です。
ある人とあるテーマについて話をして、非常に意気投合したとします。
すると、私の中では「なんてすばらしい人!こんなにも意気投合できるなんて、信頼できる人だわ!」
と思うわけです。
ところが、こう考えた時点から、私の中では「全ての考えが自分と同じ」と言うことが大前提になってしまうのです。ですから、次に話をしたときに、自分と見解が異なったりすると、それが受け入れられないのです。それが、自分の考えと相反するものだったりすると、もう、耐えられませんでした。
極端な場合だと、ほんのささいなことですら、
「こんなことも守れないひとだったなんて…がっかりだ…」
と、いきなり信頼ゼロになってしまうこともありました。
つまり、「信頼できる=自分と同じ」という意識があったのです。
自分が、そういう考え方をしていることに気がついたのは、30歳を越えてからでした。
現在は、できるだけ「全人格的」なくくりではなく、もう少し分割したくくりで「信頼」をするようにしました。
たとえば、仕事では非常に尊敬できるけれど、飲み会では近づかないほうがいいような人っていますよね。(お酒を飲むと人格が変わる、説教魔、愚痴魔になる人とか。)
昔だと、お酒の席のそんな姿をみたとたんに、普段の仕事での尊敬もぶっ飛んでしまって、信頼ゼロになりました。
けれど、「仕事でのAさん」と「飲み会でのAさん」というくくりに分けて、別物として考えることにしました。それぞれのくくりで、「仕事でのAさん」=信頼100%と「飲み会でのAさん」=信頼0%にすることで、「仕事でのAさん」を嫌いにならずに済むのです。こうすれば、仕事と飲み会の重みが仮に同じだとしても、全体として平均すると、50%の信頼を保持できたことになります。(実際は、仕事のほうが飲み会よりも比重が大きいですから、もっと高い信頼を保持できたことになりますよね。)
発達障害の脳の持ち主にとって、「0・100思考をやめて、グレーにしなさい!」というのは、無理な話。(「しなさい」と言われてできるなら、障害ではありませんから…)
けれど、先ほどのAさんへの信頼度設定の例のように、認識するための区切りを分割して、それぞれに対して、0・100思考をすることは、比較的簡単なのです。初めは大きな分割しかできなくても、少しずつ分割を細かくしていけたら、最終的には全体として見るとグレーと同じ効果を生み出すことはできるのです。
このように、できないことを求めるのではなく、できることをうまく利用して、同じ効果を生み出す工夫をする。これこそが、発達障害の人にとって、最も必要なスキルであり、発達障害を支援する人が最も重点を置くポイントなのだと思います。
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