しーた
2010年09月24日

私と絵(1) -なんで怒るの?!-

テーマ:あすぺさんの生育過程

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私はアスペルガー症候群でしーた♪-あすぺさん148

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※9/25:サブタイトルを変更しました。(記事の内容とフィットしていなかったので…)


少し涼しくなって、すごしやすくなってきました。
仕事の忙しさは相変わらずですが、なんとかがんばってます。


さて、いままで、私が苦手だったことについては、たくさん書いてきました。ここらへんで、ちょっと、「得意」なことについても触れてみたいと思います。


ということで、今回から金曜日の記事で数回に渡って、私が生まれたときから「得意」だと感じていた「絵を描くこと」についてお話をします。


一般的に「得意なこと」というのは、その人の人生を左右しやすいものです。


しかし、発達障害の人の場合、普通の人よりも、「得意なこと」が人生に及ぼす影響が大きいと思うのです。それは、「苦手なこと」が多くあって、叱られたり、いじめられたりする原因となります。その場合に「得意なこと」が唯一の助け舟になる…ということが往々にしてあるからなのです。


わたしの場合は、まさに、「絵」が助け舟となりました。

しかし、逆に私を追い詰めてしまったこともありました。

そして、「絵」によって、こうしてたくさんの人に読んでいただけるブログを書くことができました。


つまり、私を語る上で、「絵」をなくしては語れないのです。


そんな私の人生を幼少期から振り返ってみることで、みなさんにとってのヒントを探していただければと思います。


-----


私は、物心ついた頃には、とにかく、毎日、毎日、クレヨンで絵を描いてばかりいました。初めの頃は、画用紙を買ってくれるのですが、そんなものではぜんぜん足りません。あっという間に、描きつくしてしまうのです。


ですから、私が絵を描く紙を確保するために、我が家の朝は新聞の朝刊に入っている裏が白い広告をより分けることからはじまりました(笑)


しかし…それでも足りませんでした。


いくら描いても、描いても、私は満足することがありませんでした。とにかく、絵を描くことが楽しくて楽しくて、いくらでも描きたいものが浮かぶのです。


私「おかあちゃーん、紙ない~」

母「今日はチラシいっぱいあったやろ?」

私「もう、全部描いたーーーーー!」

母「えええ?!」


そんな調子ですから、しまいには、その辺に落ちている紙の切れ端まで探すありさまでした。その頃の私は、白い空白部分を見つけると、絵を描かずにいられなかったのです。


その頃の事を、母はこのように話しています。


「とにかく、白い空白は全部あんたがなんか描いてたねぇ。変な紙の切れ端を渡したら、その変な形に合うように、うまいこと絵を描くんやわ。親バカやけど、この子はすごい!天才やと思ったよー(笑)」


細長い紙を渡せば、細長い蛇を描き、小さな丸い紙を渡せば、小さなてんとう虫を描き…


とにかく、猛烈な勢いで絵を描きまくるのが、小学校へ入るまでの私の生活でした。


そんな私のために、居間の扉の1つを、私が気に入った絵を貼る「展覧会」用に使わせてくれました。ですから、気に入った絵が描けると、その扉に貼ってもらって、ご満悦♪でした。


しかし、そんなある日、いつものように画用紙はないし、裏が白いチラシが少ない日で、描き足りませんでした。どこか、描くところはないか…と、虎視眈々と部屋の中を見回していました。が、もう、紙の切れ端すら1つもありません…


そんな私に、大きな真っ白な部屋の壁が目に入りました!


「こんな、いい場所があったやん!!!きっと、こんなに大きなところに大きな絵を描いたら、おかあちゃんも喜んでくれるに違いない!」


と、思ったのです…


はりきって、大きな白い壁に向かって、クレヨンでがーーーーーッ!っと線を引きました。

最高に気持ちが良かったです!!!


そうして、私は人生初の大作を仕上げ、大満足でした。(ちなみに、ラクダを描いたつもりでした。)さっそく、母に見せてよろこんでもらおうと思って、母を呼びました。


しかし、私の大作を見た母の反応は…

「なにしてんのーーーーーーーーーーーー!!!!」

いきなり怒鳴られました…


予想だにしない母の反応に、固まってしまいました。

それまでの母は、私が絵を描くと喜んで誉めてくれました。だから、こんなに大きな絵をかいたのだから、きっとものすごく誉めてもらえるに違いない!と思っていたのです。


しかし、母は、

「こんなとこに、クレヨンで描いたら、消えへんやんかッ!!もうーなにするのーーーーーっ!キィィー!!」

と、私の絵を誉めるどころか、私の大作を抹消することしか頭にないのです。


私は、なぜ母が私の絵を誉めてくれないのか、なぜそんなに怒るのか、しかも消そうとするのか、全く理解できず呆然としていました。


その頃の私は、壁に描いてはいけないということがわかっていなかったのです。


「なんで?なんで?なんで、私の絵、誉めてくれへんの???」


私の頭の中は、その疑問でいっぱいでした。

そのうち、母が叱る言葉から、「どうも、壁には描いてはいけない…のかな?」と感じました。


けれども、私の中では、

 壁に描くことがいけないこと << すばらしい絵を描くこと

という価値観でしたから、逆に、母に対して

「それでも、こんなにすごい絵を描いたのだから、誉めてくれたっていいやんんか!壁に絵を描いてるところなんて、いっぱいあるやんか!!」

と、心の中で逆ギレしていました。


そのぐらいの大自信作だったのですけどねぇ(笑)


ちなみに、その絵は、母の努力もむなしく消えることなく、部屋をリフォームするまでの7年間、私の大自信作はその部屋を飾ったのでした…


さて、このように、大人の価値観では、当たり前のことでも、幼い子にとってははじめての体験で、意味がわからないことがあります。特に、発達障害の子供の場合は、話の流れや状況から推測することが苦手ですから、懇切丁寧な説明が必要なのです。


このときも、説教の中で、母は私に対して「壁に描いたらアカンの!」と何度も口にしていました。

けれど、それだけでは、私には理解しきれなかったのです。


なぜなら、それまでの生活の中で私の中には、「絵を描くこと」がなによりも優先順位が高くて、何よりも「良いこと」だという価値観が確立されていました。


ですから、「壁に描いてはいけない」といわれても、それが、絵を描くという「良い」ことよりも、低い順に位置づけて考えてしまうので、「でも、絵を描いたのに、何で、誉めてくれへんの?!」という不満でいっぱいになってしまったのです。


もう1つは、このように悪いこと(壁に絵を描く)とよい事(上手な絵を描く)を同時にした場合には、良いことは消し飛んでしまって、悪いことだけが残るということがわからなかったのです。


つまり、悪いことに対しては怒られるけれど、良いことの部分に対しては誉められるのだと思っていました。

これは、小学校の高学年ごろまで、そう考えていました。


ですから、良いことと悪い事を同時にしたときに、怒られるだけなのが納得がいかなくて、いつもむっつりしていたのです。それが、「反省していない」とさらに怒りを買っていたようです。


たまに、どうしても納得できず「けど、○○はええ事やん」と言おうものなら…

「屁理屈いいなさんなっ!」「口答えばっかりして!」

と、さらに怒りを買ってしまいました。


みなさんのあすぺちゃんは、いかかでしょうか。


私の場合と似たようなことがあったなら、

「良いことと悪い事を同時にしたら、よいことは消し飛んでしまって、悪いことだけが残る」

という法則を理解できていないのかもしれません。そんなときは、明示的に説明してあげると納得するかもしれませんね。


たまには、こんな失敗もありましたが、とにかく、毎日毎日好きなだけ絵を描いて幸せな毎日でした。しかし、小学校へあがると、唯一の得意の絵にも暗い影が射します。


この続きは来週の金曜日。(火曜日は、別のテーマの記事です。)


大人には当たり前でも

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