エクアドル 混乱広がる

10月1日 21時31分

警察官による抗議デモが暴徒化し、政府が非常事態を宣言した南米・エクアドルでは、先月３０日、大統領が入院する病院をデモ隊が取り囲み、救出に向かった軍隊との間で衝突が起きるなど、混乱が広がっています。

エクアドルでは、警察官や兵士に対して昇進ごとに支給していたボーナスを廃止する政府の法案が議会で可決されたことに、警察官が反発し、先月３０日、首都キトなどで大規模なデモを行いました。この警察官によるデモで、高速道路や国際空港が閉鎖されるなど、社会機能がマヒ状態に陥ったうえ、デモ隊の一部が暴徒化したことから、政府は非常事態を宣言しました。さらに、警察官の説得に当たろうとして催涙ガスを吸い込むなどしたコレア大統領が入院する病院をデモ隊の一部が取り囲み、駆けつけた軍隊との間で衝突が起きました。コレア大統領は軍隊に救出され、無事、大統領府に戻ったあと、支持者を前に演説し、「決して妥協はしない」と述べ、デモ隊との対決姿勢を示しました。政府によりますと、このデモでこれまでに１人が死亡し、６人がけがをしたということですが、警察官のデモ隊と軍隊との衝突で、さらに被害が増えるおそれもあり、混乱が広がっています。