キト(CNN) 南米エクアドルの首都キトで30日、警察官が賞与カットや昇進停止に抗議して大規模デモを展開、デモ隊を説得しようとしたコレア大統領(47)が催涙弾を投げつけられ、近くの病院に運ばれた。
大統領は数時間後に国営エクアドルTVの電話取材に応えて「これはクーデター未遂だ」と非難。政府は同日午後、1週間の非常事態宣言を出し、軍を配備して警戒に当たらせている。
軍は大統領支持を表明し、軍司令官は現地時間の午後6時半、テレビで「秩序と治安は徐々に回復している」と語った。
治安当局によると、この騒乱で1人が死亡、数人が負傷した。詳しいことは明らかにしていない。
コレア大統領はエクアドルTVの取材に対し、「彼らは大統領に向かって催涙弾を発射した。これは国家に対する反逆、大統領に対する反逆だ」と非難。デモ隊が自分の部屋に押し入ろうとしているが、「私はひるまない。もし私の身に何かあった場合、私のわが国に対する深い愛情を思い起こし、家族にはどんなことがあっても愛していると伝えてほしい」と語った。
地元のテレビ局は、コレア大統領が病院の窓際に立ち、「私が狙いならここにいる」と叫んでネクタイを緩める姿を映した。路上ではタイヤやごみが燃やされて黒煙が上がり、略奪の横行も伝えられている。