翔儀天使アユミ


翔儀天使アユミ(後編)

悪の権化、玉王が壮絶な爆死を遂げてはや一週間と少し。歩美達はごく普通の日常生活へと戻っていった。もちろん、キングジェネラルを
狙う次なる脅威へと備えなければいけないのだろうが、とりあえず彼女達は久しぶりに訪れた平穏な日々を謳歌していた。
「…どうかしたのですか歩美さん、心なしか顔が赤いですわよ?どこかお体が悪いのでは…」
中学校が終り、家が近い歩美と圭が一緒に帰っている時に、圭が歩美の顔を覗き込みながら尋ねてきた。
「えっ?!そ、そんなことないよ。きっと、気のせいよ……」
歩美は圭の問いかけに手を振って否定してきた。その顔には笑顔が浮かんでいるが、どこか無理をしているような印象がある。
「本当ですか?ここ数日、歩美さん妙によそよそしくて…」
「本当に、本当になんでもないから!!
じ、じゃあまた明日。じゃあね、圭ちゃん!」
「あっ、歩美さ…」
なおも食い下がろうとする圭を振り払うかのように、歩美はくるっと振り向いて足早に駆けて行った。
「なんか…、嫌な予感が致しますわ……」
空は、圭の不安を表すかのように暗い雲が立ち込め始めていた。


「ハアッ…、ハアァッ!!」
その夜、ベッドに就いた歩美は胸から発せられるどうしようもない熱さに全身から汗を噴出しながらのた打ち回っていた。
「なんでぇ…、何でこんなに熱いのよぉ……」
あれは玉王を倒して三日ぐらい経った夜のことだろうか。
歩美はどうも胸のあたりからチクチクするような妙な感覚がすることに気がついた。それはちょうど、玉王が歩美の力を吸い取るためにそ
の掌を突っ込んでいるあたりだった。
あの時、まさか玉王が自分に何か残したのではないかと思い肌を晒して見たのだが、別にどこにも異常は感じられない。ただ、皮膚の下、
肉の奥からムズムズとした言葉にし難い感触が時折発せられることぐらいだった。
「ちょっと、気にしすぎているのかな…」
『病も気から』という諺もある。玉王に陵辱された記憶が普通以上に肌の感覚を鋭敏にしているのかもしれない。だったら時間が経てば記
憶も風化して気にもならなくなるだろう。
歩美はそう解釈し、それ以上気にすることも無く寝巻きのボタンを閉じ眠りについてしまった。

思えば、この時もう少し疑ってかかり他の仲間に話をしてみれば今のような事態には陥らなかったかもしれない。
それから数日の間は特に変わった事は無かったが、一週間ぐらいたった授業中、歩美の胸に突然鋭い熱さが走った。
「うっ!」
それは痛みとかというものではない。まるで心の奥を揺さぶるような官能の熱さだった。歩美の顔は見る見るうちに真っ赤に染まり、動悸
がマラソンを走った後のように激しくなってきた。
全身が風呂から上がった後のように敏感になり、制服が肌に擦れるだけで神経に毛虫が這いずるかのような痺れが走った。
(な、なに……これぇ……)
普通なら教師に体調が悪いと言って保健室直行ルートなのだが、今の歩美は立って歩くだけで下手をすると達してしまいそうなほどの官能
に体を支配されている。
学校の廊下で歩いている最中、滴が滴る股間を抑えながら甘い声を上げて失神してしまうなんて事態を想像しただけで歩美は軽く達し…、
もとい恐ろしさのあまり声を出すことが出来なかった。
(どうしたの私!抑えて!この熱さを抑えて!!)


もう教師の声もなにも耳に入らない。歩美は理性を総動員して体の火照りを必死に抑えに入った。後ろのクラスメイトが蹲る歩美に心配そ
うに肩に手を置き、そのショックから嬌声を上げそうになるのを何とか堪え、そのかいあって授業が終わるころにはどうしようもない体の
疼きはなんとか収まっていった。
休み時間になって、歩美は誰もいない旧体育用具室に直行し、ガバッと自分の前をはだけてみた。埃で薄汚れた鏡に映った自分の姿は、別
にいつもとなんら変わらないものだった。
「そんなことない…。あれは絶対玉王が何かしたんだ。それしか考えられない!!」
歩美は目を凝らし、自分の体に何か異変がないかじーっと眺めた。が、先ほど噴き出た汗以外、歩美の体に変わっているところは何一つなかった。
「う……」
こんなことしてても埒があかない。放課後にでも仲間に相談したほうがいい。
そう考え、歩美は用具室を後にした。


「琴(きん)、ちょっと…」
帰国子女で金髪ハーフの琴が帰り支度をしている時、後ろから歩美が声をかけてきた。
「?どうかなさいましたか。歩美さん」
「すこし、聞いて欲しいことが……」
歩美が自分に体に起こった異変を琴に話し掛けようとした、まさにその時

ドクン!

「あうっ!」
歩美の体に、先ほどと同じ燃えるような熱さが燃え広がった。
その熱さに歩美は胸を押さえ、苦しそうに蹲ってしまった。
「あ、歩美さん?どうしたのですか?!」
突然自分の前で苦しげに倒れた歩美に、琴は慌てて歩美の肩を掴んだ。
「はうぅ!」
その瞬間、歩美の体にどうしようもない甘い痺れが走り、ショックで歩美はガバッと瞳を大きく開いた。
その目に入ってきたのは、自分を見つめる琴の心配そうな顔………
金髪碧眼で、まるで人形のような琴の可愛い顔………

ホ シ ィ

「ひっ!」
その時、歩美の中に説明のつかない思いが浮かんだ。
琴が欲しい。琴を手に入れたい。その体をメチャメチャに蹂躙し、体も、心も、力もこの手にして傅かせたい。
いや、琴だけじゃない。吟(ぎん)も、圭ちゃんも龍華先輩も、みんなみんな私のものに……
そして、みんなで集めたその力で…
「い、いやぁぁっ!」
自分の思いを打ち消すかのように歩みは大声をあげ、琴の前から逃げるように駆け出した。
「あ、歩美さん?!」


後ろで琴が何か言っているような気がしたが、そんなことは気にも止めず歩美はでたらめに廊下を駆け抜け…、気がついた旧ら用具室の中
にいた。
「〜〜〜〜〜!!」
歩美はそのまま扉に鍵を閉め着ているものを全部そこらに投げ捨てると、ぶくぶくに泡立った股間に指を這わし滅茶苦茶にオナニーをした。
「あうっ、あうっ!あうっ!!」
こんなこと、どう考えても普通じゃない。琴たちのことを考えただけで体が熱く燃え上がり、抑えが利かなくなってくる。
誰かが来るかもしれない学校で声を出しながらオナニーをする。しかも、同性の仲間のことを想いながら。
「お、おかしいよ!こんなの、絶対におかしいぃ!!」
ひいひいと悶え、愉悦の嗚咽を漏らしながら指を奥の奥まで潜らせるが、体は満足するどころかまずます飢餓感を募らせていく。
「あ、あああ!あーっ!イクッ、イクゥーーッ!!」
とうとう歩美は頭が真っ白になるまで膣中を弄りまわした挙句に、辺りに噴出した愛液をぶちまけながら上り詰めてしまった。
そのかいあってか、体の中に蠢きまわっていた飢餓感はいくらか収まることが出来た。
「ハアッ、ハアッ……  帰ろう。一刻も早く!」
また校内で仲間たちに会って疼きがぶり返したらたまったものではない。歩美はそそくさと服を着ると、後始末もそこそこに逃げるように
校舎を後にしていた。


その次の日、朝から体中が熱持っているように熱かったからいっそのこと学校を休もうかと歩美は考えた。また昨日の様な事になったら自
分を保てる自信が無い。
が、そのままにしておいても事態は解決しない。むしろ日を追うに従って悪化しているのだ。
少しだけでも、一言だけでも相談を…。そう思い学校に出てきたが、やはりダメだった。
圭たちの姿を見ただけで胸がズクン!と疼きだし、堪えようの無い飢餓感が体を支配する。なにしろ、朝に妹の風子と顔をあわせただけで
危うく飛び掛りそうになってしまい、朝食もそこそこに出てきたくらいなのだ。
その日は一日中、とにかく仲間たちと顔をあわせないようにし、帰りに無理やり付いてきた圭を突き放すかのように途中で置いて帰ってきた。
そして、帰るなり部屋の鍵を閉め、ベッドの上にボスンと体を投げ出した。それが、今日なのだ。
「うあぁ…っ!熱い、熱い!たまらないよぉ!」
ジンジンと疼く子宮に手を突っ込み、中から熱を少しでもかき出すかのように弄繰り回す。夕方ベッドに体を預けてから全身の火照りはど
んどんと燃え広がり、親や風子の心配する声を怒号で蹴散らし、歩美はかれこれ5時間以上終わりのこないオナニーに燃え狂っていた。
「いぎっ…!ひあぁぅん!!」
また一回、歩美の体が大きく跳ね絶頂に導かれた。が、心の中の飢餓感は収まることは無く、歩美に更なる快楽を要求してくる。
「も、もういやぁ……。なんで、こんなことにぃ……」
普段は泣き言を決して口にしない歩美もさすがに音を上げ、もはや反射的に動き続ける手を止めることなくむせび泣いていた。

(グハハハ。いい姿だな歩美!)

そんな歩美の耳に、一度聞いたら決して忘れることの無い仇敵の声が響いてきたのはその瞬間だった。
「えっ……。その声は…、玉王!」
快楽で磨耗しきった頭が急速に覚醒し、歩美は着崩れたはしたない格好のままベッドの上で跳ね起きた。
(いかにも。この世界の支配者、玉王様よ)
「バカな!お前は確かに、私の前で爆発したはず…」


歩美はきょろきょろとあたりを見回し、玉王の姿を捉えようとした。が、どこを向いても玉王のあの巨体は視界の中に入らない。
(どこを見ておる。ワシはここだ。ここにいるぞ!!)
玉王の姿は見えない。が、玉王の声は確実に歩美の耳に入ってきている。
(仕方の無い奴だ。ほれ、ここだぁ!!)

ズクン!

「うっ!」
その時、例の胸の部分が突如カァッと燃えるような感覚に襲われた。慌てて歩美が胸を見下ろすと…
胸と胸の谷間に、真っ赤に輝く『玉』の文字が暗い部屋を照らしていた。
「ウソッ!な、なにこれ?!」
(これはワシが消滅前に残した残留思念。まあ、言うなれば今のワシは玉王の残滓の一欠片といったようなものかな)
驚く歩美に、玉の字は明滅しながら歩美の脳に直接言葉を送り込んでいた。
(玉王は消滅前、まだ力を全部取り込んでいなかったお前の体にほんの少しの思念を残したのだ。吹けば飛ぶような小さな小さなものだがな。
そしてそれは、お前の体の中で力を吸い、次第にその力を大きくしていった。
お前も気づいているだろう。ここ数日、どうにも体が火照ってたまらないことを)
「じ、じゃあ私の体の異変はお前が!!」
(その通り!お前は自分でも知らぬうちに仇敵の力を自分の中でせっせと大きくしていたのだよ。なんとも愚かな奴め!!)
ゲタゲタと笑う玉王に歩美は一瞬目の前が暗くなった。せっかく倒した玉王が、自分の中で生き残っていたとは!
「く、くそぅ!だったら、もういちど……ぉ」
手に翔儀天使の力をこめ、玉の字に叩きつけようとした歩美だったが、何時間にも渡る自慰のせいで体に力が全く入らずそのまま腰がかく
んと折れてベッドに尻餅をついてしまった。
(無駄だ無駄だ!もはやお前に翔儀天使としての力など残っておらぬ!このワシが全部吸い取ってしまったわい!
今のお前は翔儀天使ではない!このワシに蹂躙されるだけの淫乱な小娘よ!!)
「そ、そんな……」
希望が全く潰え、歩美は顔を真っ青に染めながら玉王の嘲笑を聞いていた。いや、耳には入っていないかもしれない。
(そして、お前はこれからわしの完全な復活のための手駒になってもらう!)
「え……?!」
(お前がワシの力の依代になり、他の翔儀天使を以前のようにワシの…いや、ワシを復活させるための道具に堕とすのだ!)
「!!」
なんということか、玉王は歩美の力を奪っただけでは飽きたらず、歩美を利用して他の仲間まで狙おうとしていたのだ。
(お前が学校で他の連中に感じた感情。あのままにすればよい。お前の手で蹂躙し、忠実な下僕とするのだ)
「い、いや!そんなのいや!!」
(もう遅い!!)
いやいやと頭を振る歩美の胸の玉の字が、その時一際大きく輝いた。

「ああぁーーーっ!!」

その瞬間、歩美に頭の中まで真っ赤になったような強烈な波動が内から発せられた。
それは歩美の制御を離れてどんどんと大きくなり、爪先から頭の天辺まで蹂躙していく。


「ああ、ああ、あああぁぁぁぁ………っ!」
(この力が全身に行き渡った時、お前はキングジェネラルの翔儀天使ではなく、ワシの下僕、性戯使徒として生まれ変わるのだ…)
赤い波動が体の中でうねるたび、衝撃で硬直した歩美の顔から吐き出されるように小さな声が漏れてきた。そして、歩美の体がビクビクと
跳ねるたびに、歩美の体にある異変が起こっていた。
活動的な歩美に良く似合っている、短く刈り揃えられた黒髪が、次第に艶のある来い赤色に染まってきている。それは髪だけでなく全身の
体毛に伝播し、歩美の体を赤く染め上げていっていた。
それに伴い、濃い茶色だった虹彩も同じような赤色に染まってきていた。
「あ、あひいぃぃ……、あふぅ…」
髪の毛の先まで真っ赤に染まりきったその時、歩美は赤く輝く瞳をキラキラと潤ませ軽い溜息を一つ吐いた。
(わが下僕、歩美よ。お前の手で他の翔儀天使を性戯使徒へと成らせるのだ。そして、一刻も早くワシを復活させるのだ…)
「…承知いたしました。玉王様……」
心の中に響く主人の声に、歩美はこっくりと頷いた。



「ふーこ、起きるのよふーこ……」
耳に響く声と妙に重たい感触に、風子は深い眠りから不意に目覚めさせられた。
「ん………?!」
眠い瞼を擦って見た先には、歩美の微笑んだ顔が見えた。
「あ…、おねえちゃん……?なに、こんな夜遅く……」
寝る前はあんなに激しく怒っていたのに、今目の前にいる姉はいつもとかわらない優しい笑みを浮かべている。半覚醒の状態だが、風子は
少しだけ胸を撫で下ろした。
だが、その時に風子の心に一筋の違和感が走った。何かが違う、今目の前にいる姉さんはいつもとどこかが違う。
いつも通りの顔、いつも通りの微笑み。いつも通りの真っ赤な赤毛……違う。いつもじゃない。
「あれ…?お姉ちゃん。いつの間に髪の毛を赤く染め……」
赤い、瞳
「おねえ、ちゃ……?」
この時風子は初めて気がついた。歩美はその体に何も来ていなかった。いくらなんでも全裸で妹の部屋に入って姉は普通ではない。
さらに、胸の谷間に薄暗い中でもはっきりと分かる『玉』の字。玉という字で連想するのは、あれしかない。
「おねえちゃ!」
一気に目が醒めた風子はベッドから飛び起きようとした。が、上に歩美が乗っかっているせいでびくともしない。
「うふふ……ふーこぉ………」
優しげな微笑みがいびつに歪み、歩美の口から発せられた声は酷く淫靡なものだった。
「ふーこのもつ力……、玉王様が御所望しておられるの……。わかるわね……」
薄く笑った歩美の口から真っ赤な舌がちろりとはみ出てきた。
それは歩美の口からぬろぬろと這い出てきたかと思うと次第に太さを増し、数十センチの長さとアルトリコーダーぐらいの太さを持つにま
で至っていった。
さらにその先がくちゅりと割れ、まるで蛭の口吻のような形になりパクパクと息づいていた。
「ひぃっ!!」
姉の口から出てきた異形の物体に、風子は恐怖で凍り付いてしまった。


「これをふーこの中に入れて、ふーこの体に玉王様のお力を注ぎこんであげる…。恐くはないわ。とぉっても気持ちいのよ……」
舌触手に隠れてよく見えないが、歩美の顔は風子を蹂躙できる悦びに興奮で真っ赤に染まっているようだった。
「さあ、受け取りなさい!」
「や、やめておねえちゃ…  ムグーッ!!」
恐怖に震え必至に反らした風子の顔に歩美の舌触手がビュルン!と伸び、粘液で口腔を滑らせながら風子の口へと飛び込んでいった。
「ん、んんーーーっ!!」
顎が外れるかのような巨大な触手を頬張られ、風子はくぐもった悲鳴を上げていた。
その間も舌触手はずるずると奥へと進み、扁桃腺の奥へ達したかと思うとその口吻をぴたりと口粘膜へと貼り付けた。
「さあ…いくよぉ……」
風子を組し抱いた歩美がニタリと微笑むと、口の奥から赤く光るものが舌触手を伝って震える風子の口の中へ吸い込まれていった。
その光は口吻から粘膜を通し、直接風子の脳幹へと送り届けられていった。
「んぐっ!!」
その光が脳幹に達した瞬間、風子の体がビクン!と大きく跳ねた。
「ん……、んふぅぅ………」
たちまち嫌がっていた風子の顔はとろんと蕩け、官能で鼻息が荒くなってきている。
「んふふふ…、玉王様のお力を胸から戴いていた私でもあんなに燃えちゃうんだもの。脳みそに直接送られたら、そりゃあたちまちおかし
くなっちゃうよね…」
「あ……おねえひゃん…もっほ…もっほぉ……」
快楽に囚われた風子は口一杯に広がる触手をもごもごと噛み、歩美の頭に後手を這わして玉王の力をもっともっとせがんでいた。
「ほらほら、がっつかないの……。心配しなくてもたっぷりあげるんだからね……」
まるで以前と同じように妹をあやした歩美は、舌触手からごぼごぼと玉王の力を風子へと送り届けていった。
「もっとよ、もっと!もっともっとお力を流し込んであげる!そして、あなたも性戯使徒へと成るのよ!」
「んんーーっ!!ふ、ふごい!きもひいいよぉーーっ!!」
顔を喜色に染め、上と下から官能の涙を流しまくっている風子の髪が、次第に赤く染まり始めていた…





「おねえちゃん……」
歩美の前で風子がニタニタと笑いながら立っている。その髪は歩美と同じく先端まで真っ赤に染まり、赤い虹彩をぎらつかせている。
そして風子の胸の谷間には、ひらがなの『と』を崩したような紋章が刻印されていた。
「ふふ…これであなたも玉王様の下僕。栄えある性戯使徒として生まれ変わったのよ」
歩美が長く伸ばした舌触手で風子の顔をペロリと嘗め回した。
「あん…。お姉ちゃん、凄いよ……。体中が気持ちよくてたまらない……。これ、最高すぎるよ……」
プルプルと官能に戦慄く風子の口からも、先端に口吻を付けた舌触手がひょろりと伸びてきた。それは歩美の舌触手に絡まり、互いの口吻
を突っつきあい、舐めあわしている。
「んっ……んっ……」
「ん……んふぅ……」
口と口とが重ならない異形のディープキスを堪能した後、風子は不意に姉の顔を覗き込んだ。
「お姉ちゃん……。このままみんなを玉王様の下僕にしに行ってもいいんだけれど…、私、お腹がすいちゃった…」
そう言われて、歩美も体が酷く空腹感を覚えていることに気がついた。使徒へと変貌する際に体が想像以上に消耗したのだろうか。
「そうね……、明日以降でもみんなを襲うことは出来るし…、まずはお食事にしましょうか…」
そう言って、歩美の舌触手の口吻がパクパクと蠢いた。
「下にちょうどパパとママが一匹づついるしね……。ふふ、この舌でパパのおちんちんから生気を吸い尽くしてやる……」
「じゃあ私はママね。ママのおまんこにぶっ挿して、ひぃひぃ狂わせながらお食事するの……。あはは…」
その時の自分の姿を想像したのか、風子の口吻からどろりと粘液が滴り落ちていった。
「食べかすは肉人形にしておけば、回りからは怪しまれないだろうしね…。じゃあ、行きましょう」
「うん。人間の味ってどんななのかな〜。すっごい愉しみだよ!」
歩美と風子。二人の性戯使徒は舌なめずりをしながら、下へ続く階段を下りていった…



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