今日の
ライター:
朝井麻由美朝井麻由美
ちまたにあふれる、いわゆる"モテテクニック"を参考にしても、なかなかモテるわけではなく、「※ただし、イケメンに限る」とくすぶり続けて20数年。"万年非モテ"を自認する私の知人(仮名:天野啓太さん)が、先日26歳にして初めての彼女ができたと全身で喜びをかみ締めていました。ただ、恋人ができればそれだけでハッピー、というわけでもないようで、26年間も彼女がいなかったため、理想(妄想)と現実とのギャップに戸惑っているのだとか。"遅く来た春"ならではの受難とはいったいどのようなものなのでしょう?
"年齢=恋人いない歴"だった天野さんが彼女と出会ったきっかけは、なんとツイッターだそう。
「一日中ネットを眺めているものですから……。ツイッター上で会話を重ねて、一緒に出掛けるようになって、七夕の日に告白したらOKをもらえたんです」
――私個人的には、特にクリスマスやバレンタインなどのイベント時に彼氏がいないと、「リア充め!」などと思うのですが、天野さんは26年間ずっと彼女がいなくて、そういったイライラはなかったのでしょうか。
「うーん……そこまで深刻に考えてなかったです。そもそも、一度も恋人がいたことがないから、寂しいという感覚も分からなくて。クリスマスデートなんかはドラマの中などフィクションの世界のことだと思ってたし……。だけど、毎年一人でケーキを買って、『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)を見ながら食べてると、さすがにため息をつきたくなったりもしましたね(笑)」
――そして、念願の初恋人ができたわけですが、やっぱりうれしかったですか!?
「それがあんまり実感がないというか……。告白にOKをもらえたあと、なんだか現実感がなくて。『あ、今から恋人なのか??』という感覚で全然実感がわかなかった。僕には一生恋人ができない、と思ってたのも関係あるのかな? 26年間妄想してきたほどドラマチックではなく、意外とあっさりしていて拍子抜けしちゃった。脳内の妄想では『耳をすませば』のラストシーンのように、告白した瞬間、ワーーッて抱きしめるとか、月9のドラマのように人目をはばからずキスしちゃうとか、そういうのを想像してたんです(照)。まぁ、現実にはそんなことはなく告白にOKもらったら、『じゃ、帰るね』とあっさり駅の改札に向かっていきました(笑)。僕、すごくほれっぽいのですが、今まではとにかく告白してOKをもらうのがゴールだったので……この後どうすればいいんだろう、と焦りました」
――交際を始めてからは、想像と違うことはありましたか?
「よく考えれば当たり前のことなのですが、自分のいいと思ったものを、彼女が必ずしもいいと思うわけではないんですよね。僕が勧めた音楽やお店などを、脳内の妄想彼女はいつも喜んでくれたけど、現実の彼女は結構嫌がることもあって。メールや電話も恋人同士なら毎日するものだと思ってたのですが、彼女はそういうのに淡泊でした。あと、手をつなごうとしたら『暑い!』って拒否されてションボリしたり(苦笑)」
――メールや電話が毎日なかったり、手をつなげなかったりするのは、私だったら寂しく思ってしまいますが、天野さんのお相手はずいぶんドライな方だったのですね……。ところが、天野さんの"春"はわずか1カ月ちょっとで終わりを迎え、「七夕の日に付き合い始めて、終戦記念日にフラたんです……」と、まさにひと夏の恋だったそうで。差し支えなければ、フラれた理由などを……
「初めてだったんで恋に恋しちゃってるところはあると思います。カップルっぽいことをしたいって思っちゃって、前のめりになってしまったんです。ただ、一度でもお付き合いができたことで、恋人の基準の幅を広げられた気がするので後悔はしていません! あと、異性に対して一人の人間として相手と向き合えるようになりました。この二つの学びを次の恋愛に活かしたいです」
――前向きですね。では、一回り大きくなった現在の天野さんの今後の恋の展望などをお聞かせください。
「恋人がずっとできなかった理由の一つとして、僕は今まで、自分のルックスを棚に上げて、相手のルックスにこだわっていたんですよ。でも、初めてできた彼女は、これまで自分が"タイプ"だと思っていたような見た目ではなかったけれど、内側からとても魅力的なオーラを放つ人だった。今後も、見た目ではなく、相手の中身を好きになれるような恋をしていきたいです。それと、彼女は恋人である以前に一人の人間だから、自分の妄想を押し付けるのはダメなんだ、と身をもって知ることができたのもよかった。実は、もうすでに新しく気になってる女の子がいるんです! この恋が実るかは分かりませんが、毎日楽しくてしょうがないです♪」
とニコニコ語る天野さんの横顔はお肌もツヤツヤ、文字通りほっぺたが落ちそうな、幸せいっぱいの表情でした。新たな恋がうまくいき、願わくは春が長く続かんことを。
(朝井麻由美+プレスラボ)
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