ソウル市、中国人のビザなし観光を推進へ

観光客誘致を本格化、ホテル客室も1万6000室追加

 ソウル市は、中国人観光客のさらなる誘致を目指し、2014年までに観光ホテルの客室を1万6000室増加する方針だ。また、中国人がビザなしで観光できる制度を早期に導入し、宿泊施設の拡充や支援などに関する特別法の制定を推進することを決めた。

 ソウル市は9月30日、「今年8月から中国人に対するビザ発給が簡素化され、8月に韓国を訪れた中国人観光客の数は、前年同期に比べ50.8%も増加した。政府との協議を経て、中長期的に中国人観光客を対象にビザなしで観光できる制度を導入し、東南アジアの観光客についてもビザ発給書類を簡素化する方向で検討を進める」と発表した。

 これに伴い、宿泊施設が不足している問題を解消するため、ホテルを建設する際の容積率を高め、駐車場の義務収容台数や交通誘発負担金(交通誘発の原因となる施設の所有者から自治体が徴収する負担金)を引き下げるとしている。また、学校から半径200メートル以内にホテルを建設する場合、審議を経なければならないという規制も緩和する方針だ。

 同市はまた、外国人の宿泊に適していない旅館などは、宿泊費が安い「イノステル」(イノベーティブとホステルを組み合わせた造語。革新的な宿泊施設の意)に指定し、来年から民間の旅行会社と共に、イノステルを利用する観光商品を販売する。また、中国人観光客の不満の中で最も多い「飲食店問題」を解消するため、市が推薦するソウル型観光食堂100店を選定し、14年までには180店に拡大する計画だ。

 さらに、中国語の観光通訳ガイドを4500人確保し、今年いっぱいで期限満了となる臨時案内士の資格を、来年まで延長することにした。観光案内スタッフも、現在の300人から14年までには1300人に増員し、地域別の観光案内所も現在の14カ所から14年までには30カ所に拡大する計画だ。今年1月から8月までに韓国を訪れた中国人観光客は126万人で、前年同期に比べ44.5%増加した。

李衛栽(イ・ウィジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事
記事リスト

このページのトップに戻る