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【経済】

3Dテレビ、想定外の値崩れ 春から2割…業界困惑

2010年10月1日 朝刊

 3D(三次元立体)テレビの価格下落が進んでいる。下落ペースはメーカーの想定以上。値下がりは3Dテレビの普及を後押しするが、メーカーの収益も押し下げる。各社は悩ましい状況に困惑気味だ。 (清水俊介)

 四月に国内初の3Dテレビとして登場したパナソニックの「3Dビエラ」は、発売時の価格は50型で約四十三万円だった。現在、都内の家電量販店では三十四万円弱の値段が付けられている。二割以上の値下がりだ。

 六月発売のソニーの「3Dブラビア」は、発売時の価格は40型で約二十九万円だったが、現在、二十四万円を切っている。こちらも二割弱の値下がりだ。「下がるとは思っていたが、想定以上に(価格下落のペースが)速いという印象だ」と、ソニーの石田佳久業務執行役員は戸惑い気味に話す。

 テレビはメーカー間の競争が激しく、価格下落のペースは速い。メーカーは新たな付加機能を搭載して、低価格化に歯止めをかけようとする。「3Dテレビ元年」の今年、3D機能は価格下落阻止の切り札との期待があった。

 しかし、付加機能モデルの価格下落は、単価が高いだけに、通常モデル以上にハイペース。市場調査会社のBCNによれば、バックライトにLEDを使用した省エネ性能の高いテレビは、この一年で三分の一程度、ハードディスク駆動装置(HDD)を搭載した録画テレビも半額程度に価格が下落している。

 今のところ3DテレビはLEDテレビや録画テレビよりは下落ペースは緩やかだ。ただパナソニックは今後発売する42型以上のプラズマテレビのほとんどを3D対応に、ソニーも来年度に発売する液晶テレビをほぼ3D対応にする。他社も3D化を急ぐ構えで、普及とともに下落ペースも加速するのは確実だ。

 

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