米、レアアースで調達多様化 「脱中国」へ緊急計画策定【ワシントン共同】米政府は30日、ハイブリッド車や戦略兵器などの技術に不可欠なレアアース(希土類)について、中国に偏っている調達先を多様化する方針を表明した。日本での中国漁船衝突事件を受け、米国で供給が滞るリスクに警戒感が強まっているためで、早ければ10月中にも「脱中国」に向け緊急計画を策定する。 米エネルギー省のサンダロー次官補(政策・国際問題担当)は30日、上院エネルギー天然資源委員会で「(中国での)生産集中は深刻な懸念を生んでおり、貴重な資源の供給源を多様化することは重要だ」と述べた。 計画は今後数年間におけるレアアースの国内生産拡大のほか、中国以外の国に対する生産支援、代替素材の確保などが柱。オバマ政権は電気自動車や風力発電など新エネルギー分野への重点投資を進めており、技術革新に不可欠な資源戦略に本腰を入れる。 日本での漁船事件を受け、中国がレアアースの対米禁輸を打ち出す可能性もあるとして、米議会には「米国の安全保障や経済がリスクにさらされる」(民主党下院議員)との警戒感がある。 【共同通信】
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