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2010年9月30日(木) 19:30 |
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高温超伝導の電子状態を解明
電気をロス無く送る技術は「超伝導」と言われ、世界中でコストを下げるための研究が進められています。 岡山大学理学部の研究グループは、世界で初めて従来よりも人間が生活する温度に近い温度で超伝導が発生するメカニズムを実証しました。
岡山大学で開いた会見で実験を担当した川崎慎司講師が、今月24日にアメリカの物理学専門誌に発表した論文を説明しました。 1980年代、銅酸化物が水銀などよりも高い温度で超伝導状態になることが発見されましたが、そのメカニズムは分かっていませんでした。 川崎講師らのグループは、6年間の研究で超伝導状態の銅酸化物に強い磁力をかけると超伝導状態が破壊でき、水銀などの超伝導とは電子の状態が違うことを明らかにしました。 このメカニズムを応用すれば、現在マイナス170度前後の超伝導発生温度をさらに上げることが可能になり、将来的には常温での超伝導金属を作り出すことも視野に入れることが出来ます。 常温での超伝導が実用化されると、例えば発電所から家庭まで電気を送る際、ロスを最大で10%減らすことができるため、CO2削減にもつながるとして、世界中で研究が進められています。
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