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私は、まず、この場を借りて、皆様に深くお詫びをしなければなりません。
9月30日18:45にtwitterでtweetした「凄い情報が飛び込んできた!明日広告業界に新たな激震が。ある代理店が倒産です。」は、業界の皆様に「当社のことか?」「取引先かも。入金は?」などと、たくさんの不安を煽ってしまったことは、私の計算外のことでした。
本当に申し訳ありませんでした。
正直を言って、こんなに反響が大きいとは思いませんでした。
RTが現在250。昨日の4位だそうですね。
フォロワーが600人も増えてしまって、関心の高さに驚きました。
謹んでお詫び申し上げます。
さて、本題に入ります。
中央宣興株式会社は、銀座2丁目に自社ビルを構え、私が入社する1979年には業界9位に位置していた広告代理店です。
海外ネットワークを古くから整備し、SPを中心としたアカウントをたくさん抱えていました。
数年前から、私が独立をしたので、中宣の同僚や後輩達との交流も活発になり、あるプランナーの後輩と昨日(30日)もソーシャルメディアのデータをメールで3回くらいやり取りし、普段と変わらぬ時間を過していました。
ところが、18時過ぎに突然、その後輩から電話がありました。
後輩「中央宣興が10月1日で倒産します。。。」
私「えっ!?」
後輩「24日の給料が全員振り込まれておらず、27日になると言われ、その日も振り込まれず、今日(30日)先ほど全員が呼び出され、倒産するので10月1日に全員解雇だと告げられました。」
後輩「私たちは、突然のことに声も出なかったのですが、明日から保険証が使えなくなるのは困る!と食い下がったところ、では、10月5日付で全員解雇ということになりました。」
私「クライアントの仕事はどうするの?」
後輩「10月5日以降、希望者だけ任意で出社をし、残務整理をしても良いと言われました。その間は、バイト代程度が出るらしいです。」
私「ちょっと待て!クライアントは、あなた方と同じように今日まで知らないんだよな?だとすると、今動かしている仕事は今後どこにどのように任せるのかの道筋はどうするんだ?」
後輩「わかりません。。。」
これをお読みになっている皆さん、何が悪いのか、わかりますか?
まず、なぜ会社更生法も申請をせずに、いきなり倒産の道を選んだのでしょうか?
これは、他人事ではありません。
広告業界特有の話でもないんです。
オーナー企業が選ぶ道なんです。
中央宣興は、昭和29年に看板を得意とする会社で日本橋で開業をしました。
当時の創業者は、大澤隆。
この社長は、創業者だけあって、立派ではありましたが、ワンマン極まりない。
そして、私腹を肥やすことに余念がなかった社長です。
エピソードとして、
私が3年目の頃、私の担当するメインクライアントであるHONDAさんが会社に来られました。
中宣は、51年に銀座2丁目の名鉄メルサの向かい、YOMIKOのはす向かいの銀座通りに面した場所に自社ビルを構えています。
そのエレベーターにHONDAさんをご案内しようとした矢先、秘書の女の子が来て、「エレベーターを降りてください!社長がお乗りになります。」と言うのです。
「いやいや、この方はHONDAさんですよ。」
(当時、中央宣興の売り上げの20%以上、60億円くらいがHONDAさんの扱いでした)
でも、彼女は当たり前のように「社長がお乗りになりますので」と繰り返し、私とクライアントは下ろされてしまいました。
どちらを優先すべきなんですかね?
非常識極まりない会社でした。
ちなみに、その後私が転職する「旭通信社(現ADK)」は、「ガラス張りの経営」と言われ、みんなで目標を立てた売上・利益を達成すると、その利益の80%をボーナスで分配してくれました。
これが、経営理念の「全員経営」です。
同時期の昭和31年に操業を開始した稲垣正夫社長(当時)は、私が入社して数日経ち、エレベーターで一緒になった際、私は遠慮をして乗ろうとしなかったのですが、「どうぞ、どうぞ。」と言われ、入社して間もない私に「HONDAさんとKIRINさんとどちらが大変ですか?」と声をかけてくれました。
当時、旭通の社員は、すべて稲垣社長に仲人をしていただいており、稲垣社長は社員の経歴をメモも見ないですべて話すという、社員をとても大切にしている経営者でした。
中途入社の私にも、前述のような言葉をかけていただき、「中途採用の私のことを知ってくれているんだ。」と感動をしたものです。
この方のためなら命も捨てられる!
そんな意気さえ感じたものです。
エレベーターを降りる際に、稲垣社長が開くボタンを押していたので、社長を優先しようとしたのですが、「働いている人からどうぞ、どうぞ。」と敬語を使い、先に降ろしていただきました。
大澤社長とは、社員扱いが真逆でした。
その中央宣興は、銀座の自社ビルを建てる時、自社ビル登記はせずに、「大澤総業」という会社の不動産にしました。
そこから中宣がビルを借りる仕組みです。
この家賃がバカ高い。
ですから、80年代には、自社ビルを出て、貸しビルにすれば、給料は1.5倍になると言われていました。
ちなみに、最近の話でも、売り上げが悪化してきているので、コピーは、自社のコピーを使えという指示が出たそうです。
しかし、コピー機は大澤総業のリースです。
今どき、A4が1枚50円。それを原価参入させられるそうです。
みんなキンコーズに行きたいと嘆いていました。
また、机やその他の備品まで大澤総業からのリースだそうです。
私の在職していた80年代は、給料が安くて有名で、業界10位なのにアサツーの新入社員の給料を越えることができたのでは6年目でした。
大澤社長は、80年代前半に、まず、自分の次男を入社させました。
私の2つ上で、大澤豊と言います。
これがいわゆる「バカ息子」で、経営にはあまりタッチしていませんでしたが、社員の考えていることを引き出すためなのか、私は良く飲みに連れて行かれ、六本木や銀座で社長のボトルをいただきました。
その後、私は88年に退社したのですが、その直後に長男の現社長大澤茂が入社してきました。
それを待つかのように、創業者大澤隆は亡くなり、長男の大澤茂が社長となり、驚くことに「社主」という肩書で、隆氏の奥様、社長のお母さんが常駐するようになったようです。
この茂社長も親子だけにとてもワンマンで、それまで支えてきたベテラン社員をことごとく閑職にしたり、クビにしたりで、イエスマンが周りを囲む組織になって行ったそうです。
最近、その大澤茂社長の子供が入社したそうです。
おばあちゃんと親父がいる会社にですね。
この子供がさらに曲者で、社会に出たこともない30歳の子なのですが、1年目は先輩に付いて勉強をしていて、今年に入って、ボードメンバー3人の内の1人になったとたん、今までの50歳の上司を怒鳴りつけて、辞職に追いやった事件が先月発生したばかりです。
その50歳の後輩は、実は私の初めての部下で、それまではボードメンバーの一人だったのですが、息子が入ってきて、お役御免になったようです。
とても優秀な人間だったので、50歳でも再就職は引く手あまたで、すぐに次が決まりました。
こんなワンマンな利己主義の社長一族は、まさに、北朝鮮と一緒です。
彼らは、隠し財産がたくさんありました。
それが、中宣名義で買われている不動産類で、創業者社長がなくなった際に、相続関係であぶり出され、中宣名義なら、社員の保養施設にしなさいと指導を受けて、いろいろな場所の別荘が明るみになったそうです。
今回、会社更生法を申請せずに、一気に、倒産の道を選んだのは、経営者責任を逃れるためです。
会社更生法を申請した場合、いろいろな資産をどのように生かして再生するかを検討するわけですから、会社名義のものはすべて処分されるでしょう。
また、外部から人が入ってきて、自分の会社としての更生は望むことはできないでしょう。
しかし、倒産にしてしまえば、あとは管財人と弁護士などで整理していきます。
うまく、資産を動かしていれば、それは、大澤家の財産になり、守られる可能性も大いにあります。
こういう裏が、倒産を引き起こしているのです。
どうですか?
許せますか??
私は、悔しくてこの時間もまだ寝られません。
私の同僚や後輩が、明日から路頭に迷うんです。
先月分の給料もなく、退職金も出ないでしょう。
子供がいる家庭は大変です。
こんな時期に再就職は厳しいでしょう。
会社のために、一生懸命頑張ったって、結局オーナー社長なら、こういうことが起こることをご理解ください。
これは、広告業界だけの話ではありません。
まず、給料が遅配したら会社は危ないですよ。
キャッシュフローがうまくいっていない。
最初は、下請けなどの外注費や家賃などを遅らせます。
これが、どうにもならないと、最後は身内の給料になります。
給料が遅れる会社は、すぐにでも退社された方が良いですよ。
私が、もうひとつ気がかりなのは、クライアントのことです。
100人以上の社員が、クライアントと今後のいろいろな施策を動かしていたはずで、それを挨拶もなく、代理店が突然来なくなる。。。
クライアントは、この不況下で、いかに商品をたくさん売るかを真剣に考えており、それを信頼する代理店、ひいてはアドマンに依頼しているのです。
その人たちをも、何とも思わないオーナー一族。
テレビ局や新聞社への媒体料の支払いも滞っているのでしょう。
70億円以上ですからね。
その影響で、倒れる会社が何社出るかも見当がつきません。
幸いなことに、今回、驚くほどたくさんの方々にフォローをいただきました。
そして、このサイトにもすでに3000人以上の人が来られています。
中宣には、若い優秀な社員もいます。
そして、やり残したクライアントをそのままにしたくないと願っているでしょう。
もし、お知り合いの社員がいらっしゃいましたら、是非、お声をかけてあげてください。
彼らと共に、やり残した仕事をやり遂げることができたら、クライアントも喜んで来ただけると思います。
大変長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
なお、皆さんにはそれぞれ、いろいろな感じ方やご意見もあるでしょう。
しかし、今回ばかりは、私自身誹謗中傷には全く反応はいたしませんので、あしからず。
この記事の目的は、倒産の裏側の事実を少しでも多くの方々に知っていただき、決して、広告業界が不況だから起こったことではなく、会社は、経営者によって存続できるかどうかが決まることをご理解いただければと願ったからです。
社員自身の努力も足りなかったかも知れません。
でも、自分がその立場になった時には、どのように感じるのでしょうか?
何かを感じ取っていただければ幸甚です。
電通が平成23年第一四半期の業績で営業利益が前年比413%となったのは記憶に新しいですね。
その反面、博報堂DY・ADKは相変わらずの苦戦です。
私は、今後この状態がしばらく続くと予想します。
このままでは、電通がひとり勝ちを収めます。
私がADKに在籍していた2001年までは、電・博・ADKの企画力は拮抗していました。少なくとも、バブル後期の90年前半頃からマーケティング・クリエイティブの強化が叫ばれ、各代理店とも争うようにその人材確保に走りました。
その結果、2001年に1年間の電・博・ADKが絡む企画競合の勝率分析をしたところ、ほぼ3社が3割3分の勝率で並ぶ結果となりました。
この頃は、我々も電通が怖くなかった時代です。
しかし、メディアバイイングの強さはその当時でも電通には全くかないませんでした。
90年後半に私たちは長年の夢であった新聞の幹事代理店となることができました。
しかし、新聞は、昔から電通さんの牙城です。
九州と四国の県紙を獲得したのですが、新聞社自体がクライアントに、電通に戻してほしいとクレームを入れたりされました。
テレビについても、番組提供を提案して、実施決定に至ったのですが、その動きを察知され、月額4200万円で決めてもらったものを電通は「ウチなら3800万円で仕切ります。」と値段を指値し、泥沼になって3200万円にまで落ちてしまったりしました。
結果は、電通に持って行かれました。
オリンピックやワールドカップなどは、すべて電通でなければ売れません。
それに関連する特番や新聞企画などもすべてです。
いわゆる「買い切り」になってしまいます。
そういうメディアバイイングの強みを生かして、電通は、セントラルバイイングの提案に走りました。
「新聞全紙をウチに任せてくれたら、代理店マージンをここまで下げます。」
というやり方です。
それまでは、読売は博報堂・毎日はADKというように決まっていたものを1社に任せてしまうのです。
これには、クライアントはメリットを感じます。
こういうことがどんどん続いていき、ナショナルクライアントから、ローカルクライアント、中小企業にまでその戦略は落ちていくでしょう。
これからは、ますます電通のメディアバイイング戦略が有効に機能していくものと思います。
ただ、私が代理店にいた頃から、大なり小なり、いつもその恐怖と闘い、それなりに勝ち抜いてきました。
それは、どうやってきたかわかりますか?
ここからが、今後、電通以外の代理店の生き残る道だと思います。
クライアントは、決して安ければ良い買い物をしたとは思っていません。
メディアバイイングは、代理店の利益に直結します。
マーケティングやクリエイティブ、プロモーションなどは、思ったほどの利益を確保するのは難しく、それに、メディア扱いがついてくるからペイできるのです。
また、ペイできれば、優秀なスタッフをつけることができます。
しかし、利益が出ないクライアントには、優秀なスタッフはつけられません。
クライアントは、それを知っています。
だからこそ、安いからといって簡単にはセントラルバイイングにはしてきませんでした。
ただ、ここまで経済が冷え切ってしまうと、背に腹は代えられないことと、利益が上がらなくても戦略クライアントには優秀なスタッフをつけざるを得なくなります。
そして、結局、買い手の優位になり、電通も優位に立つことになります。
さて、では、こういう時に、電通以外は勝つことができないのでしょうか?
ここがポイントです。
できますよ!
広告代理店は、クライアントのブランディングを得意としている割に、自社のブランディグは苦手です。「紺屋の白袴」ですね。
クライアントは、リトル電・博はいらないのです。
個性豊かな代理店なら2社入る意味があります。
しかし、似通った得意分野の代理店を2~3社入れる意味はないのです。
私が今、電通以外の代理店に伝えたいのは、電通さんはこれからも信頼は一段と増えていきます。
だからこそ、電通さん以上の信頼をどうやっていただけるかを考えるのです。
私たちの時代は、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどの発注があると、まずはお礼に伺いました。
同じように、メディアはほとんど全局・全紙などが私たちにお礼に来ます。
今は、合理的に発注書がメールで送られてきて、電話でのやり取りでほとんど終わっています。
その他の作業も、机の上で済むことはほとんど済ませていますね?
それでは、クライアントとの「キズナ」は作れません。
あなたに発注したい!という気持ちは起きません。
私たちは、いつもクライアントとの時間をどのように共有するかを考えていました。
一緒にいれば、悩みも聞ける。
だから相談をされるのです。
マーケティング・クリエイティブも一緒です。
ただ、お客さんを食事に誘うだけではそんなものは醸成できません。
お客様が価値あると思い、時間を作ってくれてこそ、一歩抜きんでることができるのです。
そういう価値ある情報を持っていることが必要で、それを伝える機会を作ることが重要です。
これからは、「人間力」が勝負です。
この人間力がない限りは、安くて安心の電通さんに勝てる道はありません。
ネットが普及して、コミュニケーションの構造が変わったので、代理店はこの組織をどうするかなどに翻弄されていますが、違いますよ、問題は原点にあるのです。
この基礎ができなければ、どんな組織を作っても、機能は全くしませんよ。
わかりますかね。
AISCEASについて、AISASの後に発表をしたように思っている人が多いですね。
私は、どちらでも構いませんが、事実はちょっと違っています。
2003年に私は縁あって、社団法人日本広告主協会(現日本アドバタイザーズ協会)Web広告研究会の初代事務局長の命を受けました。
その当時のWeb研代表が、KIRIN真野さんだったからです。
それまでは、ADKのKIRINビールチーム(飲料チームは別)の営業統轄をしておりました。
私がADK(旭通信社)に入社した88年は、私の下にADKインタラクティブの社長横山君ともう一人の3名でした。
2001年に退社する時の私のチームは、ADKでNO.1の売上(約160億円)をあげており、KIRIN社の中でも電通・博報堂・大広・東急agさんなどを抜いて扱いはTOPになっていました。
当時は、ラガー・淡麗・秋味・中国国内ビール・業務用生ビールなどをブランドAEとして任されていました。
AEという言葉になじみのない方にご説明をしておきますが、アカウント・エグゼクティブの略で、外資の広告代理店はほとんどがこの形を取っています。
AEになるには、数年に1回の大プレゼンテーションでブランドを獲得しなければなりません。そのために、代理店は、担当していない年でもそのブランドを研究し続けます。
電通さんが担当していた時のラガーを私たちはずっと研究し続け、自主プレゼンと称して、マーケティング戦略やクリエイティブのプレゼンを繰り返しました。
晴れて(?)、クライアントが担当代理店に不満が出ると、コンペになります。
コンペでは3社から、ラガークラスになると8社くらいがオリエンテーションに呼ばれ、1社2時間くらいオリエンの時間をいただきます。
考えれば、オリエンする側も大変ですね。
それをもとに、約1カ月から1ヵ月半で、マーケティング戦略からコミュニケーション戦略、プロモーション戦略を組み立てます。
この時には、日本で著名なCM制作プロダクションは、ほとんどどこかの代理店と組んでプレゼン準備をします。
1998年にラガーを取った時のADKは、3社の著名プロダクションと組んで、社内プレを実施し、そこで選んだ案をおススメ案としてプレゼンをしました。
その時に掛かったプレゼン費用はベンツ2台分(CとかEクラスではありません)です。
1か月以上の検討期間を経て、2案程度に絞られます。
この時、KIRIN社は、過去のCM評価調査のデータを元に、コンテで調査をかけ、ビデオコンテでまたかけて・・・、いくつかの修正を経て、案が絞られていきます。
営業の仕事は、この間、どの代理店のどんな案が残っているかを把握し、決定に絡む方々への根回しが必要になります。
ビデオコンテの制作依頼が来た時には、すでに相手が博報堂でアニメ案だということまで私は掴んでいました。
ここからが本当の勝負です。
自社の企画の狙いと、相手の企画の弱点をさりげなく、決定に絡む方々にアポを取って全国説いて回りました。
その結果、「かんぱ~い!ラガー」という企画が生まれました。
KIRIN社は、AEになると、POSデータまで渡されます。
どの業態(GMS・CVS・DS・酒屋・業務用)で、どの容器(ビン・缶・樽)が誰に売れているのかを日々分析する責任を負います。
そこで、ブランド担当者と一緒に、日々のマーケティング戦略を考え、コミュニケーション戦略を提案するのです。
ですから、ひとつのブランドを担当すると、数10億円ものお金が任されるのです。
そういう環境で仕事をしてきて、2003年にWeb研にお世話になって驚いたことは、10人以上いたネットに詳しい役員たちに、マーケティングに詳しい方々がほとんどいないことでした。
広告主は、宣伝畑であれば、広告主協会に所属する方が多く、Web研に所属する方は広報部・営業部・ネット専業部・お客様相談室などでした。
また、ネットにかかわる会員社の方々は、システム系や平面デザイン系からの方々が多く、ここでもマーケティングの匂いがしませんでした。
そんな中、いろいろ講演も依頼されることがあり、2004年後半にはAISCEASを講演で使っていました。
その頃のDVDもまだ売っているようなので、この中を覗いていただければわかります。
AIDMAは、マーケティングを学べば、SWOT・4Pなどと同じように、「いろはのい」で学ぶことですね。
そんなことは、ネット業界も誰しもが知っていることだと思ったのですが、半年くらい事務局長をやっていて、知らないことに気づき、それを使って説明を始めました。
そんな時に、宣伝会議さんが取材に来られたので、講演資料にあったAISCEASを説明したとこと、この資料を使っていいですか?と聞かれたので「どうぞ」と答え、2005年5月号に掲載されました。
その後、フォロー取材が何回かあり、楽天・Yahooショッピング・ライブドア・goo・TOYOTAさんなどから使用許諾のご連絡をいただきました。
私は、AIDMA自体が独り歩きし、ローランド・ホールの許諾を必要としてないこともあり、電通さんがAISASの商標登録を取ったと聞いた時には耳を疑いました。
「ちいせえな!電通」
Web研の役員からは、「望野さん、AISCEASを電通に売ったんですか?」と聞かれました。
どっちが先に世に送り出したのかも、使用許諾もまったく気にしていません。
私は世の中に、そして、このblogを通じて、少しでも広告業界に恩返しができれば良いなと思っています。
そういうことから、今回も、なるべく具体的に実名を挙げてわかりやすく書きました。
ご迷惑がかかる方々にはお詫び申し上げます。
何か、ご質問等がありましたらメールかtwitter ( k_mochino )までお願いをいたします。
前回の記事で私は『twitterは「一時の遊び」に過ぎない』と書きました。
その後、約2ヶ月twitterを使い続けてみて、間違いであったことに気づきました。
お読みいただいた方には申し訳ありませんでした。
ただ、「マーケティングには使いづらい」という点に関しては、今もそのように思っています。
特定の商品やサービスを「認知し、興味を抱き、検索し、比較し、検討を重ねて、購買する」という流れの一端を担う可能性はありますが、あれだけの情報量の中、やればやるほどたくさんの人をフォローしたくなり、それが情報をすり抜ける能力の開発に繋がるので、たくさんの人に一度でリーチすることは不可能だと思います。
従いまして、ナショナルクライアントの大量販売を狙った商品やサービスには向かないと思います。
ネットで売れやすい小ロットの付加価値商品なら、可能性はあるだろうとは思います。
それよりも、私の誤解は別のところにありました。
この2ヶ月、新聞を読まなくても不安にならなくなりました。
リアルタイムで、いろいろなカテゴリーのニュースが飛び込んできます。
今日も、「ALBA_gorfnews」が石川遼選手の1ホールごとのスコアまで教えてくれます。
昨日の中国の大地震もtwitterで知りました。
こうしていると、帰宅時に東西線が順調に走っているかどうかさえわかります。
最初に何をしていいか、わからない方がたくさんいらっしゃると思います。
中途半端に体験して、もうだめだと諦める人もたくさんいると思います。
まずは、自分のお友達を探して、フォローしてみてください。
次に、お友達がフォローしている人たちをなるべく何も考えずにフォローしてみてください。
「友達の友達はみんな友達だ」と水前寺清子が歌っていましたが、まさに友達に友達を紹介されるようなことになるので信頼できる人たちが多いでしょう。
次に、ニュースや興味のある事柄に詳しい人たちをフォローします。
たとえば「広告」であるとすると、広告業界で名の通った人たちもたくさんやっているので、それらをフォローします。
そして、同じように、その人がフォローしている人たちをまた、何も考えずにフォローします。
こんなことで、フォローする人を3~50人程度集めてみます。
ここからが問題なのですが、まず、4~5日は黙ってつぶやきを見て過ごします。
どんな人たちが、どんなつぶやきをしているのかを観察するのです。
あわてて自分がつぶやいたり、re-tweetしたりすると、まったく空気が読めない孤立した自分に気づきます。(笑
事実、私がそうでした。
こういうことから、徐々につぶやき始め、フォローされるようになってくると、初めてtwitterのすごさがわかるようになります。
別に知る必要のないことでも、潜在意識の中に興味があれば、反応できて、情報収集ができます。
まさに、テレビでのCMやニュースと一緒です。
また、世代や性別を超えて、ランダムにフォローしていると、その人たちの生活習慣や考え方も見えてきます。
広告代理店にはサーベイとしても有効に機能します。
ただ、フォローしている人たちが増えてくると、いろいろな情報が整理されずに入ってくるので、とてもウザく感じます。
そうなってきた時には、関係ごとに「友人」「広告」「ニュース」などの「リスト」を作り、それごとに表示させるtwitter専用アプリがあるので、それを利用して情報整理をします。
実際にやってみて、私はテレビに近い感覚を持ちました。
今後は、この夏の参議院選挙の時の速報番組に、日テレあたりが導入をし、民意がすぐにわかるようになるのではないかと思っています。
そうなったら、ニコニコ動画と同じような使い方になってきますね。
ネットが普及して、技術やインフラ、クリエイティブなども進化を遂げる間に、いろいろなサービスやツールが出てきましたが、iモードが生活を変えたように、twitterにもその可能性を感じています。
ネット関係者では、当たり前になりましたが、広告代理店の人間の興味の低さには驚かされます。
早い時点でこれを取り組めば、コミュニケーションの新しい方向性も見えてくるはずです。
まずは、体験することから始めてみてください。
団塊の世代以上の人たちが、PCに慣れるのに、どれだけ苦労をしたことか。
未だやっていない人たちには、その可能性が大いにあることを自覚すべきです。
なお、すでにやっていらっしゃる方は、是非、フォローし合いましょう!
k_mochino です。
よろしくお願い致します。
こんな記事があります。
私は、「以前から個人blogはいずれ衰退する」と訴えてきましたが、ネット関係者からは冷ややかに見られていました。
しかし、blogの本質は、「日記をつけること」です。
インターネットがなかった時代に、継続して日記をつけていた人がどれくらいいたでしょうか?
ほとんどいないのに、ネットになれば続けられるなどということがあるはずがないと思っていたからです。
しかも、日記をつけるという習慣は、若年層に高く、事実、私自身も陸上の練習日記と合わせて、大学時代まではつけていました。
しかし、社会にでて、時間もなく、あわただしい日々を過ごしていくうちに、日記は自然につけなくなりました。
ただ、日記をつけるという心理の裏側には、「いつか、誰かに見てもらいたい。」ということが存在することも事実です。
そこで、若年層を中心にblogが広がったという背景はあるようです。
今後は、ごく一部のアルファブロガーを中心にblogは継続されると思いますが、今までのように、誰しもがblogを書くなどということはなくなるでしょう。
そうなると、読者の付いたblogはメディアとして機能しますが、アクションクリックやA8ネットのような一般blogを多用したアフリエイトは機能しなくなるでしょう。
(私個人は、今でも効果は低いと思っていますが。)
また、今騒がれているTwitterも、「一時の遊び」に過ぎないと思います。
Twitterは、確かに良い情報や有名人と会話が出来たり、いろいろ面白いことが出来ます。
事実、私は「片山右京の富士山遭難事件」の時は、その事件を人がどのように捉えているかを良く理解することができました。
しかし、つぶやいても、人がフォローしてくれない時間があると、だんだん興味が薄れてきます。
また、つぶやきすぎる人がウザくなってきます。
インターネット上で起こることは、すべて人間がやっていることです。
これをリアルの世界に一度置き換えて考えると、とても理解しやすくなります。
人がたくさんいるところで、何かをつぶやいてみます。
同じことを考えている人は、反応してくれることもあるでしょう。
それで、知らないもの同士が意気投合することもあるでしょう。
しかし、その人が、空気を読まずにつぶやき続けたらどうでしょう。
また、つぶやいても、反応してくれなくなったら、どうでしょう。
Twitterも、一部のヘビーユーザーに淘汰されていく運命だと思っています。
企業もマーケティングに利用できると思いながら参加をしていますが、これが増えるとまた視聴者は情報をスルーし始めます。
広告は、同じ場所に増え始めた時から、効果は激減します。
セカンドライフ・ニコニコ動画・・・いろいろありましたが、リアルに一度置き換えて考えた方がわかりやすいと思います。
それを使うのは、やっぱり人間の心なのですから。