韓国軍:最新鋭の高速ミサイル艇に欠陥

高速ミサイル艇「韓相国」の推進器に欠陥

防衛事業庁は海軍への引き渡しを保留

 韓国海軍最新鋭の高速ミサイル艇2番艇「韓相国(ハン・サングク)」が、高速機動時に真っすぐ前に進めず、進路がジグザグになる深刻な欠陥を抱えていることが分かった。

 防衛事業庁(以下、防事庁)が30日に発表したところによると、9月27日と29日に最終試験評価を行った結果、35ノット(時速約65キロ)以上の高速で航行した際、「直進安定性」が欠けていることが判明し、海軍への引き渡しを保留したという。海軍も、防事庁に改善措置を要求した。韓相国は試験評価を経て、9月末に海軍に引き渡される予定だった。

 防事庁の関係者は、「韓相国は35ノット以下では、直進安定性が通常の水準(左右の離脱角度が2-5度)内に保たれたが、35ノット以上になると、安定性維持の範囲から外れた。通常は、かじの調整が5度以内で済めば直進安定性が維持されているとみている」と語った。韓相国は41.7ノットで航行した際、左に17.3度、右に13.8度航路を離脱した。

 問題は、1番艇「尹永夏(ユン・ヨンハ)」には海外と技術提携したウオータージェットを搭載したのに対し、2番艇の韓相国からは韓国が独自に技術開発したウオータージェットを搭載し、この欠陥が発生したということだ。

 高速ミサイル艇は、西海(黄海)のように水深が浅い海でも高速機動ができるように、ディーゼルエンジンとつながったスクリューのほか、ガスタービンで動く「ウオータージェット」を別に搭載している。ウオータージェットは、水を噴き出すことによって推進力を得るため、水深が浅かったり、漁網などで妨害されたりしても、高速機動ができる。

 防事庁側は、「韓国自主開発のウオータージェットを搭載した3番、4番艇でも、程度の差はあるものの類似の問題が発見され、処置に乗り出している」と語った。

 さらに、防事庁の最初の説明とは異なり、韓相国の直進安定性試験評価では、35ノット以下のスピードでも離脱角度が5度を超えた例があり、論争になっている。当時の試験では、32.9ノットのスピードで航行した際、離脱角度が5.7度になったという。その後、防事庁の関係者も、「35ノット以下で離脱角度が5度を超えたことが1回あった」と認めた。

 老朽化した高速艇を代替する高速ミサイル艇は、排水量450トン、最大速力は40ノット(時速約74キロ)で、1隻当たりの価格は800億ウォン(約58億円)台に達する。予定では、約20隻が建造されることになっている。

張一鉉(チャン・イルヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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