ここから本文です

イチロー 米球界で差別の噂

週刊朝日 9月30日(木)14時15分配信

前人未到の10年連続200本安打を9月23日(現地時間)に達成したマリナーズのイチローだが、「自由の国」では、彼をあえて評価しないという「差別意識」がいまも渦巻いている。

「日本の報道とは対照的に、米メディアは記録達成を大きく取り上げず、冷ややかな反応でした」(スポーツ紙記者)

 背景には、まず、野球に対する考え方からくる差別があるようだ。

 元大リーグ解説者の高橋直樹氏はこう話す。
「そもそも野球観が違うんです。米国では本塁打に比べて安打の価値は低く、ましてや内野安打なんて『邪道』という見方が強い。これほど成績を残しても、イチローは米国野球では異端児なんです」

 自身の持つ10度目の200本安打の記録に並ばれたピート・ローズ氏は、米スポーツ専門局の取材で、イチローをこき下ろした。
「(10度のうち)3、4シーズンは全体の27、28%が内野安打。(イチローは)世界一幸運な男に違いない」

 しかし、感情的と受け取れる批判も多い。08年には、地元紙がイチローを「自己記録だけを大事にするチーム内の嫌われ者」として、
「イチローを殴ってくれと言っている選手がいる」
 と報じ、
「単打しか打てない蚊」
 と評したラジオ局DJのコメントまで紹介した。

 前出の高橋氏は、もう一つの差別意識があると語る。
「『野球は米国のものだ』という意識は格別です。大リーグの中でも、日本人はごく少数派に過ぎません。露骨な差別はなくても、帰化もしていない日本人の活躍を認めたくない空気は一部にはある。『このジャップが』と陰で吐き捨てる選手もいたと聞きます。記録を塗り替え続けるイチローと、それでも認めまいとする米国人の、いわば根比べが続いているんです」

 イチローよ、ヒットで雑音を打ち消してくれ。 
 
 本誌・國府田英之

最終更新:9月30日(木)14時15分

週刊朝日

 
週刊朝日

■雑誌記事提供(外部サイト)

週刊朝日

朝日新聞出版
2010年10月8日増大号 9月28日発行
定価380円(税込)

購入リンク 中吊りへのリンク

■検察の大罪 特捜検事逮捕事件は氷山の一角に過ぎない。国民が被った不利益は甚大だ
■上杉隆 ”小沢捜査”の証拠も改ざんされていた!? 佐藤優 前田検事は「国策捜査」の生け贄にされた 堀江貴文 検察官は私の目の前で調書を捏造した
■JAXAが水面下で進める「日の丸アポロ計画」
■「後悔しない余命」を生きる 後編
注目の情報
Yahoo!不動産 新築マンション注目物件!

新規物件の発売も多く、秋はマンション探しに適した季節です。Yahoo!不動産では、今月の注目物件を紹介。あなたのこだわりの条件でも物件を探せます。
今すぐチェック。
PR

Yahoo!ニュースからのお知らせ(9月29日)

企業トレンド「Yahoo!ニュース 企業トレンド」開設
企業の担当者が自ら発信する最新トレンド&お役立ち情報を提供します。[new]

注目の情報