モデル界に大異変

●小林さり（モデル）

　モデルといえば、高身長でスリムというのが相場。だが、小林さり（１９）の場合、身長１５７センチと小柄ながら、人気女性ファッション誌「ＪＪ」の専属モデルとして活躍中なのだ。ただし、“Ｓサイズ”モデルというのだが……。

「近年、小柄な女性読者に親近感を持たれるＳサイズモデルの需要が増えています。中でも小林は、そのピュアで嫌みのない清楚（せいそ）なキャラで多くの読者から支持を受けています」とはファッション関係のプロデューサー。

　小林本人はこう語る。

「子供のころ、ファッションモデルは憧れの職業でしたね。でも、身長が伸びなかったし、私には無理だって思っていました。今は、本当に時代が変わったんだって、そう思います」

　１９９１年４月２６日、京都府生まれ。両親と姉、弟の５人家族で育つ。幼稚園から書道や和太鼓を始め、高校時代は弓道部に在籍と、まさに大和撫子。この辺りが小林の清楚感のルーツとなっているのかもしれない。

　もともと小林は芸能界にはそんなに行きたかったわけではないという。

「中学生のとき、上戸彩さんがドラマでＣＡ（キャビン・アテンダント）役をしていて、それを見て私もＣＡになりたいと……」

　そこで中３になると、京都市の進学校合格を目指し、受験勉強に精を出す。

「でも、夏がすぎて９月ごろになると、勉強に飽きてしまって気分転換にと、母と東京に遊びに行ったんです」

　そして原宿でスカウトされ、とんとん拍子に話が進み、翌年、中学卒業と同時に上京、東京の高校に進学。本格的に芸能活動を始めたのは２年前。以来、映画や舞台、ドラマ、ＣＭ、グラビアにと活躍。現在、「開運音楽堂」（毎週土曜・ＴＢＳ）、「ＩＭＰＡＣＴ！」（毎週木曜・名古屋ＣＢＣ）の２本のレギュラーを抱える。

　とりわけ昨年の「２００９ミスマガジン」で並み居るグラドルを押しのけ、グランプリに選ばれ、同時にＳＥＧＡ賞、高校ラグビー賞も受賞。これにより第８９回全国高等学校大会のイメージキャラクターを務めたことが、一躍注目を集めることとなった。

「スリムでも巨乳でもない。でも、どこにでもいそうな可愛いピュアな女の子。そんなキャラが草食系男子の人気を呼んでいます。とてもフォトジェニックだし、ＤＶＤの売り上げも好調と聞いています」（出版プロデューサー）

　プライベートでは、この春に某大学の日本文学科に進学。仕事場へは門限が午後１１時という女子寮から電車で通う。

「朝の通学時間はすごい満員で、小さい私はずっと乗客にはさまれて宙に浮いています（笑い）。東京は本当に人が多いんだなあと実感しました」とは本人。

　この５月にはあの国民的超人気ドラマ「水戸黄門」第４１部第７話「ニセ者殺到！孫探し・鳥羽」に男勝りな町娘としてゲスト出演。キーとなる重要な役どころだった。

「時代劇も初めてでどうしたらいいのかとまどうことばかり。監督から何度もダメ出しをされて泣きそうになりました。でも、いざ本番というとき、自分の１００％以上の力が出て、なんとかやり通せました。うれしかったですね」

　今後は、「自分の空気感を漂わせる、存在感のある女優さんを目指したい」という。

　そんな１９歳の生の小林が見られるＤＶＤ「さりチャレ」（リバプール）が好評発売中だ。

（日刊ゲンダイ2010年9月27日掲載）