東海地方唯一の外国語FM放送局「RADIO-i(レディオ・アイ)」が30日深夜、10年間の放送を終了する。累積赤字が膨らんだため。放送最終日は午前7時から17時間連続の生放送で、リスナーとお別れをする。
運営する愛知国際放送(名古屋市東区)は、トヨタ自動車など地元企業が出資して00年4月、全国4番目の外国語FM放送局として開局。愛知、岐阜、三重、静岡県西部の30~40代をターゲットに、洋楽を中心とした音楽番組とトーク番組を放送。在日外国人向けに、英語、ポルトガル語、中国語など5カ国語で情報提供してきた。
しかし、慢性的なラジオ離れとリーマン・ショックによる広告不況が響き、今年6月に放送停止を決定。近く放送局の免許を返納し、会社も清算する。
今年1月から週1回のパーソナリティーを務めた愛知県一宮市の医師、中村哲也さん(48)は「街で声を掛けられるなど意外なほどリスナーが多かった」と残念がる。放送停止決定後、番組には多くの手紙やファクスが寄せられたといい、伊藤浩司放送部長は「別れを惜しむ声と会社の判断への理解の言葉が多かった」と話した。
30日は午前7時から、1時間ずつの番組に総勢17人のパーソナリティーが出演。午後11時からは全員がマイクに向かい、放送を終了する。【山田一晶】
毎日新聞 2010年9月30日 1時53分