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【格闘技】李「亡き会長にベルト捧げる!」 10月2日にWBA王座挑戦2010年9月30日 紙面から
在日韓国人3世の李冽理(り・れつり、28)が29日、横浜市内の所属ジムで練習を公開した。1ラウンドのスパーリングでは鋭い左ジャブ、右ストレートを披露。「勝って墓前にベルトを持って行きたい」と、2008年6月に亡くなった元東洋王者で前横浜光ジム会長の関光徳さん(享年66歳)にベルトをささげるつもりだ。 フェザー級から1階級落としての世界初挑戦。しかも相手は4年間負けなしのプーンサワット。それでも李は力強く言い切った。「ようやくこの時が来た。ワクワクしてます。死に物狂いで取りにいきます」。李にはどうしてもベルトをささげたい恩師がいる。 08年6月、ジムで当時会長の関さんが持つミットめがけてパンチを放っていた。しばらくすると、関さんがつぶやいた。「ちょっと体調悪いから練習終わるよ。風邪かなあ」「大丈夫ですか?」。リングを降りた関さんは突然倒れ、帰らぬ人となった。くも膜下出血だった。まさか、あれが最後のミット打ちになるとは…。 大阪の大学を卒業後、プロ入りを決意した李は関東でジム探し。「他のジムは見学だけだったのに、関(前)会長はいちから教えてくれた。選手のことをすごく思ってるんだな、と伝わってきた」。その情熱にホレて、横浜光ジムに決めた。入門後も自宅に招かれ、「おまえなら王者になれる」と励まされてきた。 関さんとの最後のミット打ちから2年4カ月。世界王者になるチャンスがやってきた。「今でも関(前)会長のことはよく思い出します。勝って墓前にベルトを持って行きたいですね」。最強王者を倒して、恩返しすることを誓った。 (森合正範)
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