ペニーオークション情報は嘘だらけ。全部詐欺サイトと思ったほうが安全
ようやくマスコミもペニーオークションの問題点を取り上げるようになってきたので、もう一度ペニーオークションについて調べてみた。
ペニーオークションは簡単に説明すると以下のようなシステムのオークションサイトだ。
落札できない人からも、1入札ごとに金を集める仕組みなので、落札金額の数十倍の金が運営者に転がり込み、最終落札者が身内(サクラ)であれば商品すら不要というシステムになっている。
法的解釈がどうなるのかわからないが、個人的にはグレーと言うよりもほぼクロの詐欺だと思っている。
詳しくは以前まとめた記事を読んでいただければ分かるかと思う。
・怪しげなオークションサイトに気をつけろ(前編):ペニーオークションの問題点
・怪しげなオークションサイトに気をつけろ(後編):ペニーオークションサイトも騙されている
とりあえず「ペニーオークション」でGoogle検索して上位に表示されるサイトを、うさんくさいサービスを回避するためのチェックポイントに沿う形で調べてみた。
自薦する比較サイト?
Google検索で1位のサイト:ペニーオークション比較ナビドメインのwhois情報の一部を抜粋
billing-phone: +99.99999999
owner-email:4u@*****.jp
電話番号等はダミーだがメールアドレスは本物のようだ。
この記事を書いている途中(9月30日の20時14分)にwhoisが差し替えられ、現在は違うメールアドレスになっている。Googleキャッシュの一部に以前のメールアドレスを含んだwhois情報が見つかる。
メールアドレスの一部を伏字にしたが、このドメインで検索すればドメイン所有者のblogやmixiが見つかる。運営会社との直接のつながりが特定できなかったので今回は伏せた。
このサイトで紹介している複数のペニーオークションサイトのうち、最上位はもってけ!オークション。このペニーオークションの運営会社は株式会社ベーシックの100%子会社である株式会社フォーユー
メールアドレスの4uと運営会社の一致は偶然だろうか?
ペニーオークションの問題点を指摘していると見せかけて自社サイトに誘導
Google検索で、ペニーオークション詐欺の手口というサイトが2位になる。 一見するとペニーオークションの問題点を指摘しているサイトのようだが、よく見れば分かるように、ここもランキングサイトだ。whois情報はドメイン業者のお名前.comなので、運営者は特定できない。別のアプローチで運営元を確認する。
右側にずっと表示されているTwitter風のリンクをクリックするとpenitterというTwitterによく似たphp掲示板が表示される。
こちらのwhois情報は福岡のクレインという会社のものである。会社のサイトは見当たらなかった。
同様に、左側にある「一押しのPRサイト」コーナーでペニコミュというサイトがリンクされている。こちらのドメインもwhoisで同じくクレインの情報が出てくる。
状況証拠ということになるが、penitterとペニコミュを運営する会社と「ペニーオークション詐欺の手口」を運営する会社は同一であると考えられる。
ついでにペニオク110番、悪ペニーオークション、ペニーオークション被害届ランキング、ペニオク探偵団が同じ運営者によるものだった。他にもあるかもしれない。
そして、これらのサイトで安全なサイトとして薦められているのがバオバブである。
ここまで言えば、バオバブの運営会社がどこなのかは明確なのだが、一応確認すると、株式会社クレインが運営していることが明記されていた。責任者は稲津史郎と書いてある。
そして、whoisで出てくる管理者のメールアドレスはinatu@second24.co.jpとなっている。second24.co.jpはセコンドピアットという会社のドメインだ。経営者名などでもう少し細かく突っ込んで調べていくと、他の社名や別のco.jpのドメインも見つかるが、そこまでいくとペニーオークションとは関係なくなるので、ここまでで止めておく。色々と手広くやってらっしゃるようだ。
なお、second24.co.jpでgoogle検索すると、かつて行なっていた業務の情報がいくつか出てきて興味深い。
ペニーオークションを薦めるblogやニュースサイト
whois情報で運営者丸出しなのは上の2グループぐらいで、他の業者はうまく隠蔽している。特定はできなかったが、比較サイトで上位にきてるサイトが自作自演で比較サイトを運営している可能性は高い。他にも第三者がペニーオークションサイトへの誘導を行うことがある。
たいていのペニーオークションサイトに「友達に紹介」というリンクがあるので、それを見るといい。他の人に紹介したら落札用のコインを貰える仕組みなのだ。
コインを手に入れるためなら嘘も交えて参加させるように促すだろう。
また、ニュースサイトやblogで批判的に紹介しているような記事も、よくよくみたらペニーオークションサイトにアフィリエイトコード付きでリンクしてたりする。
例えばこの記事。前半でチキンレースだのギャンブルだの否定的に書いておきながら、最後はなぜか参加を薦めている。こういう人間がいるから被害者が減らないのだと思う…。他にもらばQ、日刊サイゾー、Techinsight、日経ビジネス、ギズモード、lifehacker、ガジェット通信などが宣伝的な記事を掲載している。
他にもプレスリリースサイトに金を払えばCNETなどのサイトにペニーオークションの情報を載せることも可能だ。
肯定的に取り上げたサイトに今後行ってほしいこと
モラルのない宣伝記事を載せるサイトが多い中、素晴らしい対応を行ったメディアがある。TechCrunchは「BigDealとの広告契約を終了します」という記事を掲載した。
要点をまとめると、「BigDealと提携して広告を出し、共同でペニーオークションサイトを運営して利益を得ていたが、詐欺一歩手前のサービスなので提携を解除して広告を削除した。その収益は慈善団体に寄付する」というもの。なお、記事自体はは本家の英語版の翻訳なので、日本のTechCrunchとは無関係。
さて、TechCrunchに続く英断を下すサイトはあるだろうか?
おまけ
右下の落札履歴に注目。
大勢のユーザが自動入札と手動入札で4万円の商品を11万円以上で落札しようとしている状態のスクリーンショット。
この時点で合計875万円の入札手数料が支払われている計算になる。
こいつら、どんだけ精米機欲しいんだよ。
ペニーオークションサイトがサクラbotの設定を間違えて、定価を大きく超えた金額にしてしまったと思われる。強制終了させたため、現在価格は0円の表示になっている。