中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人 終戦 4連覇ならず

2010年9月30日 紙面から

◆阪神3−1巨人

 4連覇への奇跡をつなぐ細い糸がプッツリと切れた。終戦−。巨人がついに土俵を割った。最後の打者坂本の右飛を確認すると、原監督は屈辱を断ち切るように即座にベンチ裏に消えた。「悔しいですね。リーグ4連覇を目標に誇りと緊張の中で全力で戦ったが、こういう結果になったことが非常に悔しい」。胸の内を吐き出す顔がみるみる赤みを帯びた。

 虎を連破して竜を精神的に追い込む。すべてはこの1戦次第だった。指揮官の執念は継投に表れる。先発・ゴンザレスが3イニング途中3失点で降板すると、4回からは3番手で東野を投入。チーム最多12勝の右腕が3イニングを無失点で踏ん張り、7回からは朝井。先発ローテ3人をつぎ込み、打線の奮起を待った。

 しかし、あと1本が出ない。4回に無死一、三塁をつぶし、5回も1死一、二塁で阿部が併殺に倒れた。投手がいいと、打線が援護できない。得点を奪えば、投手が崩れる。「逆転された後の攻撃陣を含めて、はねのける力がなかなか出てこなかった」と指揮官。今季の悪循環を象徴する試合で敗れた。

 今季のチームスローガン。悩んだ末に決めた言葉は「原点」だった。戦力に不足はない。3連覇をした王者は、心にスキが生まれることを何よりも恐れた。前半戦は快調に飛ばし、一時は独走態勢に入った。しかし、7月と8月に連続負け越しで暗転した。犠打の成功率はセ最低。チーム防御率は昨季より1点近く悪化。自滅で混セを演出してしまった。

 今は唯一の救いにすがるしかない。「この悔しさを持ち続けて、全力で残りの試合にチャレンジしていく。まだまだ戦いは続く。どっぷりと勝負の世界につかって戦っていく」と原監督。まずは“マジック1”となっているCS進出を決める。セの王者からは陥落しても、連続日本一の道は途絶えていない。 (井上学)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ