瞬く間にサラの表情が曇っていく。手を額にあて、「本当にごめんなさい」。優勝者発表という番組のクライマックスは、サラが人物を間違えるという大失態で、“主役の座”をも奪ってしまった。
“事件”は9月28日に発生。オーディション番組「オーストラリアズ・ネクスト・トップモデル」の司会を務めたサラは当初、19歳のケルシー・マルティノビッチさんを優勝者と発表。だが、本当の優勝者は、投票で選ばれた18歳のアマンダ・ウェアさんだった。
それまで笑顔で進行したサラだが、直後、様子がおかしくなる。インカム(マイクとヘッドフォンを一本化した通信機器)を通したディレクターやコントロールルームとのやりとりで行き違いがあり、受けた指示を聞き間違えだったことに気付いた。
サラは激しく動揺。喜ぶマルティノビッチさんらの横で徐々に半泣き状態になり、「なんということ! そんなことって…。なんて言ったらいいか分からないわ。これは完璧なアクシデント。優勝はアマンダ」などと訂正した。
これには会場もア然のムード。しかも、この模様はテレビで生中継され、他のメディアは「テレビ史上最悪の間違い」と酷評した。
司会を務めたサラは、英米豪などのメディアを傘下に収め「国際的メディア王」として知られるルパート・マードック氏(79)の長男、ラクラン・マードック氏(39)と結婚。つまりルパート氏の義理の娘。今回の放送局「フォックステル」も同氏の“企業グループ”の豪州電話会社に所有されている。
ちなみに、優勝が“幻”となったマルティノビッチさんには、同局が“お詫び”として2万豪ドル(約161万円)とニューヨーク旅行を贈ると表明。真の覇者、アマンダさんには2万豪ドルの賞金とニューヨーク旅行、ファッション誌「ハーパース・バザー」の誌面を飾る権利やモデル契約、そして車が贈られるという。