ノストラダムスの鍵を滅却した筈なのに破滅的な未来は変わっていない。しかしその事はまだ文明には知らせていない様で、1999年の世界では使命を果たした文明が未来に帰る算段の話になっている。実はここでマヤがサプライズを用意していて、文明の退任(帰還)の日にこの時代の内田文明を講演に呼んでいたのだ。これで文明は母親に会える。
あれ?
それってよくあるタイムトラベルの問題に陥ってるんじゃないの。案の定、文明には松代のオカルト学院に来た記憶が無い。だから最初ここに来た時にとまどった訳でもあるのだが、どうにも辻褄が合わない。慌てて未来に連絡をとってみるとこれがポイントだった。ノストラダムスの鍵は黒魔術師の美風ではなく、そこに同時に写っていた文明の方だった。
本来別時間にある同一人物がタイムトラベルによって出会う事でひずみが生じ、それがノストラダムスの鍵となったのだった。なんと言うことでしょう。ノストラダムスの鍵は人類が自分で作ってしまったのだ・・・・なんか、ニワトリとタマゴの様なしっくり来ない気持ちが・・・まあ置いとこう。
衝撃的な事実とは言え、原因さえ分かれば対策は簡単だ。1999年7月21日に未来の文明がその時代の文明に会わなければいい。今すぐ未来に帰還すればそれで済む話だが、この時代に未練の残る文明(未練があるのはどっちかと言う話もあるが)は1日だけ滞在を延ばす事を許可して貰う。
しかしマヤは退任の日まで文明に居て貰おうと、この文明の母親に講演のキャンセルを持ち出す。その時に文明を同席させて久川母はそれとは気づかないものの親子の対面。しかしなあ、キャンセルされて激昂してるしてるせいか、はたまたこの時の久川母はもう文明の事をろくに見ていなかったのか、いくら年齢が違うと言っても我が子の面影が露骨に出ている人間に全然反応しない。あんた誰?だもの。
ところがキャンセルして帰京する筈だったこの時代の文明、母親に制止させられたのが逆効果となってひとりでオカルト学院の見物に出かけてそのままオカルト学院に野宿してしまった。
そして問題の日、文明が未来に帰還しようとするまさにその時にオカルト学院のタワーの上でご対面。
ノストラダムスの鍵発動!空から恐怖の大王が降りてきて人類は滅亡への路を歩み始める。
凄いぞオカルト学院、見事なバッドエンドに向かってるじゃないか。オカルト学院ならこれもありかなと思っていたが、文明、ここで頑張る。消失した筈の超能力を発動させて降臨してきた恐怖の大王を撃滅。文明は人類の未来の身代わりになったのだ。元の時代の文明をマヤに託して。
未来では恐怖の大王に破壊されない世界が現出。2012年、この年に開業したばかりの筈のスカイツリーが完成している。1999年に神代純一郎が川島千尋の白魔術によって吹っ飛ばされて「ここは何処?」と言ってその後も基地を浅草付近にしたのはこれもあるのか。
学院長、そこは浅草の吾妻橋だ。
3径間鋼ソリッドリブタイドアーチ橋。赤い欄干。そしてすぐ目の前にアサヒビールのう●こビル(スーパードライホール)があるだろ?
それにしてもここに来ていきなり作品舞台に浅草が追加。
破壊されていない浅草の街に出た純一郎の携帯にマヤから電話が。文明をひきとって三人で平和に暮らしている未来が。
えー、つまりマヤはあのあと逆紫の上計画で幼い文明を育てて手籠めにしたと言う事ですね?
(表札の名字が「内田」になってるものね)
と、ちゃちゃとか突っ込みは置いておいて、いい終わり方だったじゃないか。下手にシリーズの重荷を背負わされて良くも悪しくも「アニメノチカラ」を常に意識させられたオカルト学院だったが、それを抜きでよい作品だったじゃないか。しかしアニメノチカラの一作だからこそここまで注目されたんじゃないのかと言う気もしないではない。ともかくアニメノチカラもこれが最終回なのだ。売上は別にして佳作を作り出したシリーズだった。でも制作委員会は良かっただけじゃダメなんだよね。DVD/BD以外で何か還元出来るシステムって出来ないものかね。
最後に、神代・T・カーク・純一郎、良かったよ!
特に最後の台詞、「ああ、ああそうだね。すぐに帰るよ、今すぐにね。」は染み渡ったなあ。