世界の行方(ver.F)
- 東京都上空に突如謎の浮遊城が付いた黒い雲が現れた。
制限された魔法を使う十二歳の少女翼乃(つばさの)みつきはその雲の城にに突入する。
しかし、その中で彼女は数ヶ月前から行方不明だった幼馴染の楠透(くすのき とおる)に出会うが、透は半魔化してみつきに襲い掛かる。
みつきは激闘の果てに透を元に戻すが、その油断が命取りになった。
何者かが放った魔法によって彼女だけが謎の空間に取り込まれてしまうのであった。
黒い空間に取り込まれたみつきは瘴気の鎖で両腕両足を縛られて身動きが取れないでいた。
「くっ…油断した…」
みつきは両腕だけでもといわんばかりに腕を力いっぱい動かす しかし、瘴気は鎖のようになっているためどんなに動いてもビクともしない。
「あきらめなさい いくらやっても体力の無駄よ」
この空間にいたのはみつき一人ではなかった。 この空間内にはこの事件の黒幕もいた。
彼女の名はイト。 みつきの親友楠透を洗脳し、半魔の力を植えつけた張本人でもある(透の中の半魔の力は既にみつきの機転で除去されている)。
イトはクスリと微笑んでみつきをたしなめながら、拘束されているみつきに近寄る。
「あなたはいったい私をどうするつもりなの!?」
みつきは刺々しい口調でイトに問いかけた。
イトはみつきの体に密着し、愛おしそうに彼女の頬をゆっくりと撫でる。
「ちょ…やめ…」
「ふふ、それは今から分かるわ…」
みつきは突然唇に温もりを感じる。
(え………)
イトの黒いルージュが塗られた唇とみつきの穢れ無き唇の接触、すなわちキスだった。
(えええ!?)
突然の口付けにみつきは驚き焦る、しかしイトはキスをやめない、
それどころかみつきの口内に舌を入れ弄ぶ。
「ん、んん〜!」
みつきは抵抗するが瘴気に縛られていて身動きが取れず、抵抗もままならない。
クチュ…クチュ…ちゅぱっ…むちゅ……
口から響く淫らな音と口内に流し込まれる唾液がみつきの口を蹂躙し、脳を蕩けさせ、抵抗を奪う。
(いけない…でも、どうにもならない…)
このままではいけないということはまだ残っている、しかし、快感がそれすら消そうと誘惑する。
みつきの心の中にある抵抗と依存がしのぎを削り、みつきを翻弄させる。
しかし、イトはディープキスに飽きたのか、唇と舌をみつきの口から引き離す。
舌と舌の間には『つながり』を残すかのように唾液の糸が引いていて、その糸は下へ落ちていった。
ようやく抜けられたのにみつきは心の中の何かが抜き取られたような感覚を覚えた。 それを『寂しさ』と感じるには今のみつきには難しい事であった。
- 「はぁ…はあ……」
「ふふ、気持ちがよかったのね でも、次の段階に移りたいからもうおしまい…」
イトは口元の唾液を服で拭いながら、手のひらサイズの蒼い宝玉を取り出した。
「そ、それって…わたしのつえの…」
「今のあなたでもこれはわかるよね? 羽竜の杖に入っている、いや、厳密に言えば杖が制御している魔法が入っている『封印の宝玉』よ」
「それいったいどうするつもりなの!?」
「これをあなたの体に入れるのよ…こうしてね!!」 「な!?」
その瞬間、イトはコスチュームで隠れていない腹部を見つめ、その宝玉をみつきのへそから上のあたりに突っ込んだ。
ズボッ!!
「うっ、ああっ!!」
みつきは激しい感覚を覚える。 宝玉はすんなりとみつきの体に侵入していく。
「そんな…なんでぇ…」
肉体が宝玉との進入ををすんなりと許すように、宝玉がずぶずぶと腹部に埋まっていく。
そこから生まれる苦痛と快感にみつきは翻弄され、涙を流す。
「ふふふ… 大分アレが効いてきたようね
教えてあげる さっきのキスであなたの体は私が思ったように改造できるようになったの」
「そ、そんなぁぁぁ!…」
「あなたの鳴き声も素敵ね、それでこそ改造しがいがあるわ」
「うぁ、ひぐっ!、ひゃあぁぁ!」
そして嬌声か絶叫かもわからない、どちらかもしれない声と共に宝玉はみつきの体に埋まり、ピタリと止まった。
みつきのへその上の宝玉は氷山のように埋まり、体内で薬のように分解され、宝玉内に閉じ込められた魔力が体内に解けていく。
彼女の頬からはいくつもの絶望の涙が溢れていた。 宝玉の色はそんな彼女の心を移すかのように薄暗く輝く。
「ひゃあっ!」
ビクンッ!!
突然宝玉が埋め込まれた部分から感覚が伝わった。
「ふふ、第一段階終了 次は…」
イトは宝玉が埋め込まれたみつきの腹部を撫でながら次の段階へ…
彼女は右手に黒い杖『鉄竜の杖』を構え、杖をみつきの腹部の宝玉へ向けた。
「カラダを改造してあげる 私好みにね!」
その宣告と共に杖から黒い電撃が疾る。
その電撃を蒼く薄暗い宝玉が受け止め、宝玉は点滅する。
「うっ、うアアアアアあっっっっ!!」
そして、変化が始まった。
- まず最初に変化が訪れたのはコスチュームからだった。
ゴオォォォォ!
空のように蒼いコスチュームは雲が来たかのように暗い灰色に染まり、次第に真っ黒に染まっていく。
オオォォォォ!!
それは他の装飾部分も同等で、青い髪に掛けられているティアラの真ん中に付けられているエメラルドも輝きを失いつつある。
バリィィィィ!!
さらにエメラルドの左右に展開されている金色の翼のような角飾りからヒビが入っていき、音を立てて崩れる。
ゾオォォォ!!
華麗なティアラは邪悪なガンメタルカラーに染まり、きれいな宝珠が真ん中に付いている胸のリボンは闇色に染まっていく。
ドクッドクゥ! ドクンドクン!!
それでも変化が足りないとでも言うかのように衣服とティアラは暴れるかのように波打った。
「いやあああ!!」
邪悪に染まり、更にそれを求めるかのように暴れだす自分の衣服を見て、みつきは絶叫する。
「ふふふ、コスチュームの方は一旦終わり さてと、次は…っと!」
改造の第二段階を済ませ、ほぼ満足なイトは
先程と同じように自分の杖をみつきの腹部の宝玉に向け、今度は暗い色調の波動を送り込む。 まるでプールの中にスタンガンを当てるように…
「今度は体ね、体はとても大事だからゆっくりじっくりばっちり変えていかなくちゃ」
「いやぁ…やめてぇ…」
みつきの制止の泣き声も空しく、肉体の変化が始まった。
健康的な小麦色の肌は埋め込まれた宝玉を中心に蒼く いや、血の通わぬような青色に変色していく。
腹部が、小さな胸が、顔が、肩が、手が、指が、下腹部が、脚が、体中が絵の具を一滴たらされた水のように青色に染められていく。
両腕両足を拘束され身動きの取れないみつきでも体の変色は肉眼で見ることができる。
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
みつきは自分の肌が人外の色に染まっていく光景にただ泣き叫ぶしかなかった。
そんな彼女に軽い追い討ちを掛けるかのように指の爪が真っ赤に染まり、深い傷ができそうなくらいに鋭く尖る。 それは足の爪も同様であった。
「ふふっ、よくできてるわ でも、お楽しみはこれからよ!」
イトは杖から送り込む波動をさらに強くする。
ドクッ!ドクッ! 宝玉が波打つ光の鼓動は心臓のようにより激しく点滅していく。
送り込まれる魔力が宝玉を経由してみつきの体内に送り込まれ、みつきの変化は更に激しさを増していく。
「あガあああああああああぁア!!」
ギギギギギリリリィ!!
みつきは頭からひどく激しい痛みを感じ、絶叫した。
痛みを感じる所から角がギリギリと生えてきたのである。 神話の悪魔に出てくるような闘牛に近いデザインのどす黒い角が…
「うあぁ…いやぁ……やめてぇ…」
「悪いけどお断り 改造はまだ終わってないわ」
涙目のみつきの願いを切り捨てて、イトはそのまま続ける。
- 「つ・ぎ・は…っと!」
ドクゥッ!! またも杖から悪しき波動が送り込まれる。
「んやああぁぁあっ!! せなかがぁ!!」
みつきは背中に熱いモノを感じる。 それは背中の中を蹂躙し、出口を求めるかのように暴れまわる。
それはまるで今の衣服とシンクロしているかのようだ。
ぶわさぁ!!
背中から生えてきたのは…悪魔の翼であった。 粘液を被った蝙蝠状の翼が勢い良く飛び出したのである。
はさ、はさ…
背中に生えた翼は先程の暴れ振りとは裏腹に空間の中をそよそよと動いているだけ。
(イヤぁ! このままじゃ化け物になっちゃう…でも…このまま変えられたい…もっと変えて欲しいよ… こんなのイヤなのになんでぇ…)
みつきがそう思った途端、黒き魔翼はパサパサと犬の尻尾のように微かに動いていく。
しかし、これで終わりではない。 みつきは今度は尾てい骨あたりにムズムズとしたものを感じた。
「ひゃうっ!」
みつきは高い嬌声を上げた。
男性の自慰に近く、それよりも激しい快感と共に現れたのは…
「ふふ、淫魔のシッポが生えてきた…」
そう、蛇のような形をした黒い『悪魔の尻尾』が翼と同じような透明な粘液と共に生えてきたのだ。
「可哀想な娘(こ) 生まれたてのシッポを見られないなんてね
でも、仕上げが終わればいくらでも見せてあげる い・く・ら・で・も・ね♪」
ビュルゥ!ビュビュゥ!!
尻尾の尖った先端からみつきの意思とは関係なく精液が飛び出る。 先程の快感が相当応えたのであろう。
「はぁん… はっ、ああっ!」
みつきは尻尾から発する射精の感覚に翻弄されていく…
(いやぁ…やめてぇ…もおださないでぇ……)
口元からダラダラとだらしなく涎を出しながら最後の理性を保つ。 しかし、それが持つのも時間の問題である。
「キモチイイのね、嬉しいわ じゃあ、そろそろクライマックスとイきますか♪」
イトの軽快に上がっていくテンションを受け、杖の波動は激しくなった。
送られる最後の波動に宝玉は激しく輝いていく。
(あ、ああああああっつ! た…)
ギリリっ!
上下の犬歯が鋭く尖っていく。 まるで獣か創作上の吸血鬼のように…獲物を捕らえるほど鋭く長く…。
(す…け……て…)
ググググっ!
人間特有の丸い耳は三角を描くかのように鋭く尖っていく。 エルフと比べると割と短く、人間と比べたら長い悪魔特有の耳に…
バイィィィッ!!
胸は次第に膨らんでいき、二十歳の男性のアレを容易にはさむ事ができるくらいに大きくなっていく。
(助けて、誰かぁ……)
ヒトならざるモノへと変貌していくみつきは涙を流しながら、言葉を発することのできない口で呼吸をしながら、涎を垂らしながら助けを求めた。
助けなら誰でも良かった。 ただ、この悪夢から逃れたいという願いが叶うのであれば…
幼いみつきにはそれが限界だったのだ……。
だが、助けは来ない。 いや、悲しい事に誰も来る事はできなかったのだ。
- 心臓の鼓動のように波打つ衣服も変わりゆく肉体と同じように歪な変化を始める。
黒に染まった可愛らしい衣装はVの字型のボンテージへと変形し、胸部にある闇色のリボンは蝙蝠状に変形して二つに分かれて肩の部分へ移動する。
リボンについていた宝珠は首の辺りに移動して真ん中に紫色のクリスタルが付いた首輪に変形した。
翼型の飾りを失ったティアラは攻撃的なデザインに変化し、エメラルドはダークグリーンに染まり、エメラルドの左右に蝙蝠の翼が生えるように現れた。
蒼い短髪はティアラの変化に反応して紫色に変色し、尻尾の辺りまで伸びていく。
更に天使のようなスカートはこうもり傘のような形に変形し、先の部分には吸血鬼のような純白で鋭い牙がある。
しかし、そのスカートは女性にしかない大事な部分を挑発的に露出しており役目を果たしているのかもわからない。
そしてブーツはハイヒールのように変形し、底は高く上げられ、つま先は魔剣のように鋭く尖っていった。
以前までは腹部と脚くらいしか露出されなかったコスチュームは胸やソコまで曖昧に見せつけるくらいに挑発的に変貌し、
スカートとティアラは残虐な攻撃性を秘めた冷たく暗い色調のデザインに変貌してしまった。
その様は悪魔へと変えられていく天使のようである。
「………」
変貌していく己の体をみつきはただ虚ろな目で見つめるしかなかった。 絶望に満ちた虚ろな目で…
黒い空間、みつきは虚ろな瞳で倒れていた。
みつきを縛っていた瘴気は既に消えうせており、現在みつきは自由の身であったが何故か立ち上がることができない。
「もう終わったって言うのにまだ寝てるのね… いや、倒れているのか」
『改造』を済ませたイトは満足げに『改造成果』であるみつきをしげしげと見つめている。
「しょーがない! お目覚めのキスでもするか…」
イトは金色の髪を掻きながら、目が半分しか開いていないみつきの顔を自分の顔へ近づけた。
そして唇どうしが触れ合い、交わりあっていく。 イトの唇は積極的にみつきの唇を責める。
「ん…んちゅ……」
イトは自分の舌を熱心にみつきの口内へ侵入させる。
くちゅ…クチュ……ちゅぷ…チュパ…
互いの口からまたも放たれる淫らな音が響く。 舌でみつきの舌を舐め、頬を撫で、歯を触る。それから発する音がみつきの心を深く変えていく。
- 暖かくいやらしい快感がみつきの優しき心を邪悪に染めていく。
(ふァ…ぞクゾくスる…きモちイい……なんダカいままで悲シんでタのが馬鹿みタイ…)
イトの唾液に含まれた魔法がみつきの精神を、思想を、感覚を、本能を、そして虚ろな瞳さえも妖しく邪悪に書き換えていく。
(ふフふ…ナンダカとてもイヤラシイことガ……したくなってきた…)
それは血で染まる小川のようであった。
「ぷはっ…」
そしてしばらく口を交わらせた後お互いの舌と唇が離れる。
離れた互いの舌からさっきよりも濃い糸が残った。
「気分はどうかしら? みつきちゃん」
口による激しい交わりを終えたイトは異形の少女に今の状態を尋ねる。
すると、その少女はムクリと立ち上がり、目を開いた。
その瞳はおぞましき蛇のような色彩と瞳孔になっており、『獲物』を捕らえることが容易なものになっている。
唇には首輪についているクリスタルと同じ紫色のリップがいつのまにか彩られている。
「はい、とてもすばらしいです… さっきまでは馬鹿みたいに嫌がっていたけど、今は自分の姿が見たいです」
みつきは血の通っていない指をチュパチュパと舐めるように加える。
すると、腹部の宝玉が輝き、みつきの前に大きな鏡が現れた。
以前から使っていた魔法がみつきの体と融合されているため、魔法が自由に使えるようになった。
今の彼女が魔法を使うために必要なのは呪文ではない、使いたいという気持ちと考えだけである。
「はぁ…綺麗……」
みつきは鏡に映る自分の姿に酔いしれ興奮する。
青い肌、紫色のロングヘアー、黒い角、紅く鋭い爪、尖った耳、獲物を捕らえることのできる牙、邪悪なほどに黒い翼、いやらしくしなやかに動く尻尾、
大きな胸、黒と暗い色を基調とした挑発的なコスチューム、闇に輝き妖艶さを加速させるティアラ、攻撃的なハイヒール、
そして、それらを纏った十六歳の体系でGカップの自分。
邪悪かつ妖艶な自分の姿を眺めながら快感と快楽の美酒にみつきはいやらしく酔いしれていた。
そんな彼女をイトは優しく抱きしめる。
「よかった…私の改造よっぽど気に入ったのね」
「はい この姿でオトコ共を犯す事を考えたらゾクゾクして…で、でちゃうぅ…はっ、あぁん」
ビュルゥ!! 尻尾から濃い精液が勢い良く飛び出す。みつきはあまりの射精の快感に口から涎を出した。
「男とやる前にまずしたい事があるんだけど この城にいるあなたのお友達を完全に改造したいの 手伝ってくれる?」
(大好きな親友を自分と同じ淫魔にしてもらえる…!?)
「ハイ! 是非とも私にやらせてください! お願いしますご主人様!!」
親友を改造するという言葉に喜んだみつきは興奮冷めぬうちにイトに懇願する。
「気持ちは嬉しいけど、あなただけでするなら私の魔力をあなたに貸さなきゃね
私の使える魔法は『粘膜同士で触れ合った者の肉体と精神を変える』やつだけど、あなたは『使い手の願った物召喚する』魔法だから…」
「お願いします! その力この私にお貸し下さい!!」
「そんなに固くなくていいって じゃあ、魔法を貸す準備するからちょっと待っててね」
「ハイ!」
みつきは激しく翼と尻尾をバタバタ振るいながらこれから起こることに激しく期待する。
(はぁ…待っててね透ちゃん……これが終われば透ちゃんもキモチよくさせながら淫魔にさせてあげるからね…はぁん、これから楽しみだよぉ……)
これからを想像してみつきはいやらしい興奮を高ぶらせていく。
その姿は他人を思いやる優しい少女ではなく、邪淫に心と体をゆだねた淫らな魔物であった。
世界の行方 それは誰にもわからない
【劇終