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抜糸など77項目は『看護師でも可能』 業務拡大へ 厚労省全国調査

(2010年9月28日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

教育や研修も検討

 医師の医療行為を条件付きで看護師にも認める「特定看護師」制度導入に向けた厚生労働省研究班の全国調査で、体表面の抜糸など77項目の行為について、過半数の医師、看護師が「看護師でも可能」と答えたことが、分かった。

 調査を担当した防衛医科大の前原正明教授は、「現在の看護師実施率が5%以下で、将来的に可能という行為は特定看護師の業務として検討すべきだ」と話している。

 7〜9月、全国の医師や看護師計約4万8千人を対象に調査、8104人が答えた(回答率約17%)。

 77項目には(1)床擦れで壊死(えし)した組織をメスで切除(2)感染症検査(3)自発呼吸の回復に伴う人工呼吸器の離脱−も含まれる。

 一方、半数以上の看護師が「現状でも実施している」と答えた行為は、動脈からの採血など約20項目。前原教授は、うち7割以上が「現状でも実施」とした低血糖時のブドウ糖投与など4項目は「通知で看護師に認めてもいいのではないか」と指摘した。

 調査結果を受け、厚労省の検討作業部会は、医療行為の範囲を(1)医師だけ(2)特定看護師に認める(3)一般看護師にも認める−で分けられないかを議論。

 安全性確保のため、看護師への教育や研修の在り方も検討する。